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不登校と鍼灸 2008.03.26

中学校2年生、男性、初診 平成16年7月12日、(不登校3ヶ月半)

 

今年の4月から学校に行けなくなった、朝起きるのがつらい、頭痛がする、身体がだるい、食欲がない、酷い時には吐き気もする、寝ていたい、肩が凝って腰が痛い、やる気がない、などの症状で本人は学校に行きたいのだが行けないという。

 

両親は心配して、医者に連れて行き、いろいろ検査したが何処も異常がないという。始は父親が怒って叱り付けたのだが、効き目がないので最近はあきらめている。昨日から右の背中も痛くなって、おじいさんのように前かがみになって辛そうにしている。

 

さすがに心配になったお母さんが、東洋医学で何とかならないかと相談に来た。

 

診察

 

本人が、もう病院には行きたくないというので、最初は往診する。

 

診察をしてみると、風邪ひきの症状がある。肝臓の系統がひどく弱っている。多分3月頃にひどい風邪を引き、肝臓系統の弱りから風邪を追い出すことが出来ず、慢性の風邪引き状態になっていたが、夏になって寝冷え等により、風邪引きが再び活性化したものと思われる。

 

治療

 

本治法は肺肝相克で金穴を補い、鍼で陽経の邪の処理をした。標治法としては、特に肝臓系統や、肺の系統を強める処置をして、自分の力でウイルスを排除できる体力を付けるようにした。

 

元気になった

 

夜お母さんから電話が掛かってきて、元気な頃のように、活発に動いて、食欲も出てきたと喜んでいた。本人も喜んで明日は自分から鍼灸の治療に行くんだと張り切っている。電話の向こうでお母さんの弾むような喜びの声が聞こえた。

同様の治療を3回ほど行った。最近では友達の家に遊びに行って夜まで帰ってこないという。だるいとか、疲れたというようなことは言わなくなった。食欲もあり、夜は良く寝られると言う。

 

積極的に外へ出て友達と遊ぶようになった。

 

もうそろそろ学校へ行かそうかと思ったが、学校の方が夏休みに入ってしまった。

 

不登校にも身体の不調

 

不登校児はわがままで学校に行かない子どもばかりではない。肝臓系統にかなり強い反応があることから考えると、本人はどうしょうもなく苦しくて学校へ行けなかったのではなかろうか。

 

不登校児はいまや全国で年々増えているが、これは心の問題として捉える子供も居るが、身体の問題として解決する方が本質的な解決につながる事もある。

 

肝臓が出すサイン

 

肝臓は沈黙の臓器で、相当悪くなっても肝機能検査では悪い数値は出てこない。ところが症状としてはかなり多くのサインをだしているにもかかわらず西洋医学では肝機能検査に数値が出ないということだけで何処も悪くないと片付けてしまっている。

 

これでは不登校児が可愛そうだ。

 

食生活は健康の元

 

この子供のお母さん、家事が大嫌いで、即席ラーメンやコンビニで買ったものばかり子供に与えていたそうだ。子供の肝機能系統に異常があると言うことは考えにくいのだが、お母さんから食事のことを聞きだして納得した。母親の細かい愛情が大切だ。

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