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高血圧と食生活 2018.01.03
高血圧と食生活
ある時、普門堂鍼灸院に肥った高齢の、女性患者さんが訪れた。血圧が高く、糖尿病もあり、肥っているので歩くのも不自由で杖をついている。めまい、動悸、足のむくみ、ダルサ、疲れやすい、など多くの症状を抱えていた。
この女性、体温は何度ですかと尋ねると、私はいつも低い体温なのです。35,4度前後の体温ですという。普通体温は36,5度が標準であるから1度以上、体温が低いことになる。
体温が1度低くなると基礎代謝が12%低くなり、免疫力は30%低下すると言われている。又、癌の最も好む低体温の環境では、癌はドンドン増殖する。
風邪、花粉症、アレルギー、や女性特有の不妊、子宮内膜症、子宮筋腫、も低体温との関係が深い。
低体温になると基礎代謝が12%低くなるので、エネルギーの消費量が毎日12%少なくなる。普通に食事をして居ても、12%づつエネルギーが余ってくる勘定になる。その余ったエネルギーが脂肪として身に付くので、肥ってくるのだ。
心臓は動脈血を全身に送り出しているが、還りは静脈血によってポンプ作用によって送り返されてくる。下半身は重力に逆らって血液を心臓まで送り返さなければならない。その時に活躍するのがふくらはぎの筋肉だ。第2の心臓と言われ、ここがしっかりしていると、血液循環はうまくゆく。
エコノミー症候群など飛行機の狭い席で長時間座っていると、血液の循環が停滞して、体調不良になり、死に至るケースも多い。これなどもふくらはぎの筋肉を動かさないために、ポンプ作用が悪くなる典型的なものだ。
心臓は動脈血を送り出しているが、静脈血からの還ってくる血液が少ない。これでは全身の機能を賄えない為、動脈血の圧力を高め全身の血流を正常にさせる為、高血圧になるのだ。
食品優劣ランク表にある最下位の食品を多く食べている人は、腸内細菌のバランスが悪くなっている人が多い。善玉菌が少なくなり、悪玉菌が多くなって、免疫機能の低下、体温の低下、足腰の弱り、血流の悪化、などが重なっている。
こうなると、糖尿病、高血圧、肥満、足腰の弱り、足のむくみ、眩暈、動悸、疲れやすさ、等いろいろな症状が出てくる。腸は体内環境を立て直す独自の働きを持っている。
腸内環境が良くなれば、足腰が良くなり、足腰が良くなればふくらはぎもしっかりしてくるので、第2の心臓と呼ばれるふくらはぎによって静脈血の還流が良くなり、高血圧も解消するという訳だ。
高血圧は腎機能の低下や血管壁の狭窄、コレステロールの増加、など慢性病から高血圧になるのだが、そのようになる大元は食生活の不摂生がある。
そこで食品優劣ランク表を見て頂いて、最下位の悪い食品は極力とらない事だ。なるべく上位の食品を取るように心がけると、腸内環境はみるみる良くなってくる。
高血圧の人は食品ランク表の、注意する食品の中で、自分がいつも食べている食品に丸を付けてみてください。意外と多くの食品に丸が付くことが分かると思う。その食生活が高血圧の原因となっているのだ。
悪い食品と、良い食品を、大逆転させることによって、体内環境は目覚ましく変化する。という事は高血圧だけでなく、すべての慢性病に対して効果を発揮するという事だ。ぜひ努力してやってみてください。
当院を訪れた高血圧の患者さんは、食生活の見直しを徹底的にやってもらった。鍼灸治療との併用ではあるが、3カ月後には足のむくみもきれいに取れ、ほっそりとしたきれいな足になった。
体重も7キロほど減り、杖をついて歩いてはいるが、それなりに歩行訓練も始めて、本人も努力している。血圧の薬はまだ飲んでいるが、血圧も安定している。後、3ケ月もこの食生活を続けると、高血圧の薬は不要になると思う。