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食生活と基礎代謝 2018.01.29
食生活と基礎代謝
鍼灸院の治療室に中年の女性がやって来た。小太りで青白い顔色の、少しむくんでいるような感じであった。このお客さん、冷え性で手足の冷えが酷く、特に足は冬になるとジンジンするほど冷えてくるため我慢が出来ない。
仕事は事務仕事で、朝から晩まで机の前でパソコンを打っている。室内は温かくしているのに、手足だけはいつも冷たい。冬はひざ掛けをまいて仕事をしているのだが、それでも暖まらないので困っている。
先生この冷え症、何とかならないでしょうかね。と言ってやって来たのである。そこで体温計を持ってきて体温を測ってみた。35,1度であった。ずいぶん体温が低いですね。この体温を何とかしなければだめです。
間食はしていますか? 私処の職場は家庭的な職場で、いつもお菓子を用意しています。そのお菓子はいつでも、だれが食べても良いのです。もう25年も勤めていますが、習慣的になって間食は何時でもしています。という事であった。
運動はしていますか? ほとんど運動としてはやっておりません。ただ、仕事から帰って、夕飯の準備や家事仕事であわただしく動いてはいます。舅、姑、と同居しているのでその世話もあり、睡眠時間は少ないです。
この状態から考えて、基礎代謝がずいぶん低下していることが考えられる。
会社での座りっぱなしの仕事、25年も続いている間食の習慣、甘いお菓子による砂糖や食品添加物の摂取、運動不足、睡眠不足、舅、姑に対して気を使い、ストレスが日常的にある。
これらの生活環境が基礎代謝の低下につながり、手足の冷えとなって現れているのだ。こんなに体温が低いと、癌になる可能性が高くなりますよ。早く基礎代謝を上げて、手足の温かさを回復させましょう。
まず、間食はきっぱりと辞めてください。甘い物、お菓子、ジュース類、なども厳禁です。会社の仕事中は1時間に5分でもよいですから、体操やストレッチ、階段の上り下り、などで身体を動かしてください。睡眠不足も良くないですから、お風呂から出たら出来るだけ早く寝るようにしてください。
野菜のお浸しを毎食必ず1品つけて、野菜を取る習慣をつけてください。筋肉を付けるためにたんぱく質も必要です。頭から尻尾まで食べられるししやもなどの小魚や魚貝類、モズクなども毎日、食べてください。
それから当院で作った、食品優劣ランク表を使って優秀食品を多くとり、最低のランクにある食品は食べないように注意してください。このランク表を使って食事内容を変えると、腸内細菌がとても良い状態に改善されるのです。
身体にとって害のある食品を食べると「農薬、食品添加物、化学薬品、酸化した油など」は身体が拒否反応を起こします。ただ、この反応は非常に微細な反応ですからはっきりとした反応にはなりません。
ところが、鍼灸でいつも使っている、脈診術でこの反応を診ると、はっきりと良い食品、悪い食品などのランク分けが出来るのです。鍼灸院に来る多くの患者さんに、このランク表を持ち帰ってもらい実践してもらっています。
アレルギー性の疾患、うつ病、糖尿病、高血圧、など多くの疾患に対して効果を上げています。悪い食品を食べない事によって腸内の善玉菌が増え、悪玉菌が減るような食生活になるのです。
そうなると、身体全体が活性化され、体質改善がスムーズに進むようになります。この患者さんも、3カ月後には、早くも体温が36度に上がってきました。手足の冷えもだいぶん改善されたので、この生活習慣を頑張って続けます。と言って、今でも継続しています。