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眩暈の酷い患者さん 2020.12.14
眩暈と言っても簡単な眩暈から、わけの分からない眩暈まで色々あるものだ。3年前から眩暈が始まって、何処の病院に行っても治らない。40代の男性で仕事にも付けないほどの眩暈で、収入も殆ど無いと言う。
治療院に来た時には、頭を抱え込んでやっとの思いでベットに横になるほどであった。眩暈の定番穴としては太衝穴と背5-1Kの鍼灸だ。
しかし、その治療点で施術しても、わずかばかりの効果しかないのである。これは困った、何処かに別の治療点が有るはずだ。このように全く訳の分からない眩暈も存在する。
こんな時には猛然とファイトが湧いてくる。新しいツボを探す探究心は、想像力を最大限に拡大して検査して行く。西洋医学では血液検査やレントゲン検査などを駆使して検査する。
鍼灸治療では証と言って、その人が持っている身体の一番弱い、弱点を探すのだ。身体には20の経絡と言う筋道が有って、その道筋の内一番弱い所から4番目に弱い所までを探し当てる。それを証と言ってその人、特有の弱点である。
この証を本治法と言って、まずこの証を治療する。次に標治法と言ってその証の中から特に弱っている部分や、強すぎている部分を抜き出して治療点とする。身体全体の道筋や治療点は勉強しているのではっきりと分かる。
このようにして短時間の内に証や、治療点を割り出して正確な治療をするのだ。一般の人は鍼灸治療が血液検査やレントゲン検査もしないで、どうして科学的な治療点が分かるのだろうと不思議に思うかもしれない。
普門堂鍼灸院では提鍼と言う虚実判定棒を考案して、身体にその棒を当てると、ここが弱っているとか、ここは強すぎているとか、脈状にはっきりと出て来るのだ。それによってどんな病気も短時間の内に診察できる。
非科学的と言われるかもしれない。しかし、我々は患者さんの身体に直接問いかけてどこが弱っているのですか? 何処が過敏になって痛むのですか?と鍉鍼を体に当て、脈状で確認しているのだ。
レントゲンや血液検査も身体の変調を確認しているが、我々も身体に直接問いかけて変調を確認している。やり方は全く違うが、目指す所は同じである。
鍼灸の良い所は、簡単に短時間で確認でき、多くの病症が有っても、鍼、灸と言う2つの施術だけで全部を治療することが出来る。西洋医学の場合は病名ごとに違った薬を出すが、鍼灸の場合は治療点が増えるだけで鍼と灸の治療は同じだ。その為、副作用が殆ど無いと言うメリットもある。
今回来た眩暈の患者さん、3回目くらいから眩暈が軽くなり出し、今回は6回目の治療だがほとんど眩暈らしい感じが無くなったと言っている。
鍼灸治療をしている私が言うのは変だが、西洋医学よりもよっぽど治療効果があると自負している!!