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うつ病の解説 2012.10.19
うつ病の解説
永年、鍼灸院を営業していると、結構うつ病の患者さんも訪れる。その患者さんの特徴や成り立ちの背景を聞いていると、うつ病の構造が分かってくる。
東洋医学的に診て、どのような構造になっているのかという事を、分かりやすく解説してみよう。
食欲旺盛で肥るタイプと、食欲減退で痩せるタイプのうつ病があります。そのほかに産後うつとかいろいろありますが、今回は太るタイプのうつ病を解説します。
寝つきが悪い、寝られない、イライラする、怒りっぽい、食欲旺盛、心臓がドキドキする、不安感が強い、落ち込む、苦しい、ダルイ、やる気がない、疲れやすい、外へ出られない、湿疹が出やすい、などの症状がある場合です。
多くは、間食、過食、夜食、など食べ過ぎが続く事によって始まります。胃経といって、胃の系統を統括している道筋があります。
この胃経の仲間に心包経という筋道があります。これも食欲関係を司っていて、この2つが食欲を亢進して過食に導きます。
この2つの道筋は性質が悪くて、食べ過ぎをするとさらに力を増し、次は、もっと食べたいという衝動を起こします。
世の中、過食に困っている人はかなり多くいますが、要注意ですよ。食べ過ぎはうつ病に大きく関係してきます。
過食が続くと、毎日それを消化吸収する作業が忙しくなります。肝臓はその先頭に立って働いています。ところが毎日、毎日、働かされて、残業もたびたびある生活が続きますと、しまいに怒り出します。
いい加減にせんか!! 俺はもう我慢が出来ない!! ついに我慢の緒が切れて、イライラ、怒りっぽくなります。内臓のこの症状は、本人の感情となって現れます。
肝臓は怒こった矛先を他の内臓に向けます。膵臓に対して、お前この仕事を全部してしまえ!! 次々と仕事を押し付けて膵臓をこき使うようになります。
膵臓は黙って仕事をしますが、だんだん弱ってきます。ひょろひょろになっても頑張っている膵臓を見て、その親代わりになって面倒を見ている心臓が大変だ、膵臓が倒れる。
おおあわてで、心臓は膵臓に対して元気を援助します。それが続くと今度は心臓も弱ってきます。
そうなると心臓がドキドキする、不安感、やる気がない、外に出られない、落ち込む、疲れやすい、苦しい、などの症状となって現れます。
この心臓の仲間に腎臓があります。仲間ですから負担を背負いこみます。それによって腎臓も弱ってくると恐怖感とか幻覚とかが出て来ます。こうなると統合失調症となりますが、うつ病はその手前まで来ている状態です。
話は戻りますが、肝臓の仲間に肺蔵、と膀胱があります。肝臓が怒りだすと肺蔵も膀胱もともに怒り出します。
膀胱は怒り出すと寝つきが悪いという症状を起こします。肺蔵は怒り出すと眠りが浅いとか、眠れないという症状を現します。
胃、心包、肝臓、肺蔵、膀胱、などは興奮して機能が増進している状態です。これに対して、膵臓、心臓、腎臓などは弱ってヘナヘナになっている、状態です。
身体の中でこのようなバランスの崩れがあって、うつ病は成り立っています。分かりやすくするためにアレンジしていますが、ご理解ください。