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うつは気の不足 2011.06.18
うつは気の不足
気というのは、元気の気、気力の気、気持ちの気です。気というのは形がないものですから、医学界でも正式に認可されていない部分があります。
人間の体の中には、気の流れがありまして、これが生命を活動させています。身体、血液、内臓その他がいくら若くてしっかりしていても、気の流れが一瞬でも消えればそこから先は死体なのです。
それほど重要な気の医学が西洋医学の中で発達しなかったのは、西洋医学が死体解剖から始まる、目に見える理論的な発想から始まったのが原因だと思われます。
それに引き換え、東洋医学は宗教的な関係から、死体解剖は永年の間、禁止されていました。気の医学が生まれる素因はそこにあります。形もない、訳もわからない、気の病を試行錯誤して、2500年もかかり、経絡、経穴という気の病を治す治療法を編み出したのです。
うつ病の原因は、精神的圧迫、睡眠不足、過食、アルコール、看護疲れ、産後の疲れ、手術の後遺症、などにより身体の疲れが、ある一定の限度を超えたとき脳内に弱い部分が生じます。
これは身体が限度を超えた疲れのため、気を生成する能力が極端に低下したのです。その為、脳内のバランスが崩れたものと思われます。
気は夜中、眠っている間に大腸の中で生成されます。朝になると気が充満して、さあやるぞと、元気で仕事に出かけられます。仕事から帰って夜になると、気をすっかり使い果たしていますので、眠くて仕方ありません。そして寝ると、また気が夜中に生成されるのです。
胃や小腸の中で、栄養分は吸収されます。その残りかすが大腸に運ばれます。大腸では乳酸菌などの細菌が科学的に判明されていない無数の栄養素と共に、気の生成をつかさどっています。
夜中に大腸内で生成された気が、朝になると十分に満たされています。ところが、うつの人は、眠れない、食欲がない、と訴える人が多いのです。食べられない ので大腸に運ばれる残りかすも十分ではない。その上、眠れないので気の生成も十分にはできない、という悪循環があります。
眠れる、食欲もある、うつ病の人は、アルコール、タバコ、過食、間食、夜食、などの生活習慣によって大腸内の機能が崩れ、正常な気の生成が行われていない可能性があります。
気が十分に生成されなくて、気の不足があるていど続くと、脳内が不安定となりバランスが崩れます。これがうつ病です。
気が不足しているため、心臓はドキドキ、ダルイ、不安、落ち込み、眠れない、食欲不振,又は過食、等の症状が起きます。これらの症状はすべて気の生成を遅らせる要因となりますので、正常に戻すことが難しくなります。
お灸は、気の生成を助ける働きがあります。的確な穴に対してお灸をすえていると徐々に元気が出て来ます。週2回の治療で2カ月~5か月かかります。
鍼は痛みをとるのに、とても優れた効果を発揮します。ところが炎症を起こしているところの気を少し漏らして炎症を抑える働きがあるため、うつ病の人のように気が少ない人には、最初の一定期間、鍼治療は行いません。
その患者さんの気力が充実してきて、鍼を刺せる状態の反応が出てきたときから、鍼も併用して治療します。
治療している間も、患者さんの生活環境、食生活、アクシデント、やめられない習慣(アルコール、たばこ)などが負担となって襲いかかってくるため、なかなか治療が難しく、治癒までに波があるのが現状です。
上記にも記したように、気が不足する状態が、脳内のバランスを崩している元凶であることをよく認識して、患者さんを保護する周りの人は看護してください。