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どれボー猫とお灸 2010.10.18
ドロボーねことお灸
我が家にはチャッピ―という名の猫がいる。チャッピ―が外に出られるように、家の隅に小さな穴をあけている。出来るだけ外で大小便をしてもらいたいので開けている。
ところがその穴から、ドロボーねこが侵入してくる。チャッピ―のえさを狙って入ってくるのだ。
ある晩、夜中にフ―、ニャ―、ドタ、バタ、と激しい喧嘩をしている。ドロボー猫が来たなと思い飛び起きた。
そっと廊下に出て、逃げ道をふさいだ。それからコラ―と大声を上げた。暗闇の向こうから、黒い塊が一目散に走ってくる。右足を思い切り蹴上げた。黒い塊がギャと短く泣いて、一回転した。すぐに体制を立て直し、私の横をすり抜けて逃げて行った。
ふと気がつくと、左足に鋭い痛みが残っている。靴下を脱いでみると3センチくらいの傷が出来ており、そこから血が噴き出している。
蹴られた時に思い切りひっかいて逃げて行ったのだろう。すぐに血を拭いて薬を塗り、バンソコウを貼っておいた。
これで3日もすれば治るだろうと思っていた。毎日薬を塗りバンソコウを取り換えた。
3日目の夜中、ズキンズキンとくる痛みに目が覚めた。押さえてみるとブヨブヨして痛い。電気を点けて見ると、赤くはれ上がっている。しまった化膿してしまった。夜中の2時である。
こんな時にはお灸が良い。火傷をする直接灸だ。痛いので、分かっていたのだが後回しにしていた。
傷口の真上に、5ミリおきに4カ所、ゴマ粒大のお灸をすえた。脳天を突き抜けるような痛みが走る。それを我慢して1カ所に3回ずつすえた。
あれほどズキンズキンと来ていた痛みが、お灸を据え終わるとウソみたいに無くなっている。痛みさえなければこれほど効果的な治療法はないだろう。
このお灸には3つの効果がある。1つは、傷口にするお灸で化膿菌が死滅する。2つ目は、火傷の痛さで全身の白血球が傷口に集まってくる。3つ目は、火傷の痛みで白血球が増産される。
この3つの効果で、化膿菌は瞬く間に死滅するのだ。その後2回お灸をすえる事によって、この傷は完治した。
ちなみに、わが治療院ではいまでは直接灸はしていない、知熱灸といって、皮膚から2センチくらい離してあぶるようにするお灸をしている。これだと子供でも安心してお灸をさせてくれる。