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5月病はなぜ起きるのか 2010.05.11
5月病はなぜ起きるのか
多くの人が5月頃になると、体調の不良を訴える事が多い。これには自然の摂理に沿った大きな意味があります。
木の芽どきという言葉があるように、5月には木の芽が一斉に噴き出して、青々とした若葉で山々も衣替えをします。
人間の体内でも、目には見えませんが、細胞が一斉に入れ替わっているのです。若い細胞が体内のあらゆる活動を受け持つ季節であります。
若い細胞は、無謀に力む(過敏になる)細胞と、過酷な日常生活に負ける細胞があります。無謀に力む細胞の場合、ぎっくり腰、寝違い、いらいらして腹が立つ、夜中の2時ごろ目が覚めて歩き回る、アレルギー性疾患。など強い症状を現わします。
弱い細胞の場合は、過酷な日常生活に立ち向かうことが困難になり、不眠症、食欲不振、ダルサ、疲れ、などが症状として出てきます。
なぜこのように過敏になる細胞や、弱い細胞となって出てくるのか。これはその人の1年間の食生活、生活環境、健康管理などの結果として、5月に生まれ変わる細胞の質が決まってくるのです。
5月に病状が出て、心配になり病院に駆け込む人が沢山います。しかし、これは5月に起きる一時的な過渡期ですから、1カ月ばかり辛抱しているほうが良いです。
6月になると新しい細胞も成長して、しっかりと力のある細胞に育ちます。その間、少しつらいのですが、頑張って過ごしたほうが良いのです。
病院で処方される、睡眠薬や精神安定剤など、それを飲むことによって体は一時的にらくになります。
しかし、これは麻薬と同じで、その時は楽になりますが薬が切れるとまた病状が出てきます。病状が出てまた薬を飲むと楽になる。この繰り返しで治りきることがありません。
慢性的な薬物中毒になり、何十年も廃人同様な暮らしを送る人もいます。社会的にも問題となっているうつ病がこれに当たります。
無謀に力む細胞の場合は、その人の体力がもともと頑健にできていますからほおっておいてもやがて落ち着いてきます。ハリ灸などの治療を加えると、もっと治りが早くなります。
問題は生まれ変わる細胞が弱い場合です。ただでさえ弱いのに、化学薬品で抑えつければ立ち直ることが困難になって来ます。
私の鍼灸治療院にきている、うつ病の患者さんの中で、薬を飲まないで頑張っている人はハリ灸の治療でどんどん良くなっています。しかし、何年、何十年も薬を飲んでいる患者さんの場合は、治りが非常に悪くなります。
本人が麻薬中毒のようになっていますから、薬を手放すことに異常なほど恐怖感を持っています。また現実問題として薬を減らすと病状が悪化してきます。薬を元に戻すと病状は少し安定してきます。
この現実の中で患者さんは、悪魔の手の中から逃れられない自分を認識して、薬が悪いことを知りつつ、薬に頼っている現状です。
患者さんの中には薬が麻薬のように、その場限りの物であることを知らずに、薬で治るものと信じて飲み続けている人もいます。
薬から解放されるにはほんの少しからでも、薬を減らしてゆくことです。つらくても決して増やさないことが大切です。
5月病それは、昨年1年間の生活環境の中から生まれてきた細胞の性質による症状です。新しい細胞があなたの生活に慣れて、しっかりと機能するまで、1カ月か2カ月、薬などに頼ることなく見守ってゆくことです。
人間には自然治癒能力と言って、自分自身で病気を治す力を持っています。この力を信じて病気は任せておきましょう。自分ですることは食生活、運動、生活環境、睡眠、など基本的な健康管理だけに、充分気をつける事です。