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光の当たるところには必ず影が付いて来る。 2009.04.11
光の当たるところには必ず影が付いて来る。
影のところには必ず光が差す。
うまいものを食べ、酒、タバコ、を吸い、自由な生活を満喫していたA氏は65歳のとき、突然に脳梗塞になって倒れてしまった。
自分は健康で何をやっても耐えられる自信があった。運動もせずに好きな生活をしても、まったく身体に違和感が無い、しいて言えばメタボで腹が出ているぐらいの事でしかなかった。
倒れてから始めてしまったと反省したがもう遅い。右手右足の麻痺、言語もろれつが回りにくくなって、うまくしゃべれない。6ヶ月間、リハビリのもう特訓をやった。どうやらゆっくり歩けるようになったし、判りにくいのだが、何とかしゃべれるようになった。
現在は奥さんに付き添われて、毎日30分の散歩が日課となっている。仕事のほうは出来なくなってしまった。食生活も野菜を中心とした粗食に切り替えた。しかし、いろいろな薬を飲んでいるせいか、健康が安定せず、毎日のようにいろいろな症状が出てきて困っている。
この症例は当院に訪れているある患者さんの実例を書いたものだが、このような事例で現在困っている人は、あまりにも多くいます。
健康な身体を過信して、うまいものや、酒、タバコ、自由な生活、日の当たるところばかりを選んで、気まま勝手に生きてきた人生に影が付いてきたのです。
毎日の運動は疲れる、時間が惜しい、根気が続かない、好きなことをやれない、めんどくさい、などの理由で出来ない人が多い。
しかし、毎日の運動は健康の面からいうと、地道な影の積み重ねで、何年、何十年と続けている人をご覧になってください。
ほとんどの人が、細くて健康で、年を取っても頭がしっかりして、死ぬまで自分の大小便の始末は出来る人が多い。
92歳になる当院の患者さんは、毎日山登りをしている。山登りと言っても、ほんの20分ばかり舗装された道路を登っていき、そこで20分ばかり体操をして、ゆっくりと帰ってくる。これが毎日の日課になっている。
また、食生活にも気を使っている。肉や油濃い食事は一切しない、野菜食を中心に、昔からの野菜の煮物や海草、小魚が中心となっている。
若い者は、別に美味しいものを作って食べているが、おばあちゃんは口に合わないからごめんねといって、自分で作っている。
おばあちゃんの野菜の煮物は美味しいと、若い者が箸を伸ばして食べてくれるのが嬉しいと言う。
さすがに92歳にもなると、あちこちが痛んで1週間に1回は当鍼灸院に通ってくるのだ。だが、毎日の山登りのお陰で、頭もしっかりして若い人と対等におしゃべりが出来、カラオケ教室に通って楽しく過ごしている。
大きな仕事をやりたい夢を持っている人は時間が無い、そのため仕事に熱中するあまり、健康の事は後回しになることが多い。
有能な人が働き盛りで倒れることもある。夢を持って前向きな仕事の出来る人こそ、夢を実現するためには、運動を仕事の先頭に持ってくる。
まず、影をしっかり積み重ねておいてから、仕事に熱中する。
影と光、人生全般の設計図を描いて、陰と光の配分をどのように持ってくると自分の人生、最後まで健康で何の心配もなく過ごせるか考えるべきだ。
医者が、誰かが、考えるものではない。自分で自分の人生、設計図をちゃんと計画して安心、安全な人生を送って欲しい。