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夜中に肩がうずく老人 2009.03.19
夜中に肩がうずく老人
私の鍼灸治療院には、ご老人の方が多く来ます。不思議に感じることは、ご老人の方で夜中に肩がうずく人が、とても多いということです。
91歳になる老婆、「右肩が夜中になると、うずうずと痛くて目が覚める。さすってやったり、温めてやると治るのだが、毎晩うずいて痛むのです。昼間はなんでもないのですが、夜は、ほんとに困ってしまいます」という。
ある時、診察中に治療点に印をつけようとして、患部を見ると青く刺青でもしたような後がくっきりと出ていた。
不思議に思って、「この青い斑点は何ですか」と聞くと「これはね、若いときに頭痛もちで、毎日注射をして貰っていたのですよ、その後がこのような青い斑点となって残っているのよ」という。
よく見ると、なるほど肘関節の内側で注射をする部位であった。注射といっても直径1センチくらいの青い斑点であるから、かなりの本数「何千本?」打ち続けたものと思われる。
原因はその部分の神経が弱って、気の流れが少なくなった為と思われる。昼間は肩を動かしたり、身体も動かすので、気の流れも多くなるため、肩のうずきも無い。
しかし、夜になって眠りに入ると、気の流れも少なくなって肩を通過する神経に充分な、気の流れが行き渡らないため、肩がうずき、痛みも出てくるのだ。
ご老人の方で何人もの方が、同じような症状を訴える。老人特有の症状かなと思っていたのだが、今回の青い斑点が見つかったことで、この症状の原因は若いころの注射によるものと判った。
注射でも手術でも若いころはなんでもなかったことが、老人になり気の流れが衰えてくる頃、夜中のうずきとなって現れてくるのだ。