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甘い誘惑、女性を蝕む 2009.02.16
甘い誘惑、女性を蝕む
78歳、女性、
息子さんがホームページで調べて、お母さんを連れてくる。症状が精神異常的な状態になったので心配している。
症状 初診時のカルテから
1、 全身重くて凝っている感じ、
2、 不安感、ダルイ、何もする気力が無い。
3、 右肩甲骨内縁、肩、腕、首のこり。
4、 頭が締め付けられる。
5、 右腰から膝が重くダルイ、足の裏まで違和感がある。
6、 ふくらはぎがパンパンに張った感じ。歩くと前へつんのめる感じ。
7、 目がしょぼしょぼする。
8、 寝られない、3時間ほど寝ると目が覚め、その後、寝られない。
この症状から考えられることは、2、の不安感、ダルイ、何もする気力が無い。それと、8、の寝られない。に代表される症状からうつ病の症状が出ている。
そこで何が原因か、鍼灸治療をしながら生活状態を、いろいろ聞きだした
若いころから元気で、この年まで何の病気も無く、ゲートボールやボウリング、カラオケ、旅行と休む暇も無く飛び回っていた。
ところが、3年くらい前から親友が亡くなったり、入院したり、自分の周りから2人の親友がいなくなった。
寂しくなったため、いつも飴玉を、口の中に入れる習慣がついてしまった。
入院していた1人の親友が帰ってきたのだが、寝たきりでつまらないから毎日遊びに来てくれとせがまれて、3年ほど毎日おしゃべりに通っていた。
親友のおしゃべりに付き合うようになってから、散歩や運動はすっかりしなくなってしまった。
そのうち、6ヶ月前から少しずつおかしいなと感じ始めていたのだが、2ヶ月くらい前からは、毎日3時間ほどしか寝られないこともあって、頭が締め付けられる感じと、何もする気力が無くなってしまった。
これが患者さんから聞き出した、生活状態のあらましだが、この病気になった大きな原因が2つ考えられる。
寂しいからと言って、3年間も飴玉を口の中に入れる習慣がついてしまったことは、身体の中のカルシウムをどんどん無くした事になる。カルシウムがなくなると骨粗症はもちろんのこと精神不安定な症状も現れる。
もう一つは運動をしなくなったことだ、運動は筋肉をつけることはもちろん内臓の強化、血流の改善、免疫力の向上などあらゆる面で健康の基礎となっています。
おしゃべりと飴玉、運動不足、こんな生活が3年間も続いたのですから、いくら健康な人でも病気になってしまうことは当然考えられる。
生活指導は、まず、甘いものは一切厳禁して貰った。次に運動、毎日30分以上、出来るだけ早足の散歩。
生活状態を変えることに加えて、鍼灸治療を1週間に2回行った。2ヶ月でほぼ回復、精神状態も安定して、よく寝られるようになった。