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左腕を振って歩くとダルクて耐えられない 2009.02.10
左腕を振って歩くとダルクて耐えられない。
67歳、女性、
いままで健康であまり病気をしたことが無い。ところが1年ほど前から左肩、腕が痛く、夜中もうずいて寝られない。
あちこちの病院を巡ったが、治るような感覚が無い。友達に鍼灸を進められたが、鍼灸だけは怖いから絶対にやらないと頑張ってきた。
しかし、そんなことも言っていられない。こんなに痛いのなら、左腕を切り落として貰いたいと思うほど困った。
そんな事情で仕方なく鍼灸治療を受けに来た患者さんである。
やけどをしない知熱灸、まったく痛くない接触鍼で治療をすると「えーっ、こんなに痛くないの!」と驚いていた。「そうですよ、2歳の子供でも喜んで治療を受けてくれるのです」
初診時の症状、カルテから。
1、 左腕を振って歩くと痛ダルクなる。右手で左腕を持って歩く。
2、 左の肩甲骨内縁がセキ、クシャミをしても痛い。
3、 左首、肩、腕が痛い、夜中にうずいて寝られない。
4、 左前頸部から胸にかけても痛む。
5、 右手は握り締めることが出来ない、握力が弱い。
6、 上を向くことが、痛くて出来ない。
このような症状であった。東洋医学ではこのような症状をすべて、どの経絡の変動によるものか分類して治療方針を立てる。
提鍼というものがあって、その提鍼を穴にあて、手首の脈をみると、その拍動の変化によって、どの経絡がどういう病的変化をしているか掴むことができる。またどの穴に、どのような治療をしたら良いかも判る。
この症状を分析してみると、ほとんどが痛みによって、引き起こされている。
痛みというのは、実症状(筋肉が過敏に緊張している状態)であって、虚症状(弱って、痩せ痺れ、力の無い状態)があまり見当たらない。
実症状の場合、かなり重症な症状であっても、鍼灸では案外簡単に、完治することが多い。
鍼灸治療をすると1回ごとにどんどん症状が改善されてゆく、患者さんはニコニコ顔で、毎回来るのを楽しみにしている。
8回目のとき、ほとんどの症常が改善された。しかし、本人は後戻りしないかと心配で、その後2回来院した。まったく異常が無いので、その時点で完治とした。