臨床例

顔面神経痛 2008.03.22

原因

 

このような症状になった半年前に風邪を引きませんでしたか?と聞いてみた。患者さんはしばらく考えていたが、そういえばひどい風邪を引いて10日ばかり寝込んでいました。苦しくて寝ていたいのですが、家族みんなが風邪を引いて寝込んでいましたので、無理をして最低限の台所仕事だけしていたのです。その後に顔面の痛みも出てきたように思います。風邪引きが原因ですかね。風邪引きは万病の元といわれていまして、風邪引きのために炎症を起こした神経は風邪引きが治ってもそのまま後遺症となって痛みを引きずるのです。そしてまた風邪を引いたときには、真っ先に後遺症のある神経が痛み始めるのです。

 

主訴

 

患者 00さん 37歳 女性  初診17年7月20日

 

半年前から顔面が痛くなって引きつるような感じがある。口の中が痛い、口内炎とも違うと医者で言われた。ノドから顔面そして頭の方へ引っ張られるような感じがあり、痛さで夜も寝られないことがたびたびある。痛くても眠たいので寝てしまうが夜中に目が覚めるともう痛くて寝られなくなる。上あごや歯も痛くなる。医者からは抗鬱剤を貰って飲んでいる。

 

診察

 

調べてみると胃経と大腸経に熱を持っており、実の反応があった。それがかなり強く出ている、奇経反応も出ていた。風邪引きもありかなり苦しそうにしている。

 

治療

 

1回目

 

まず風邪引きを取る為に、本治法で肺肝相克、経金穴を使う、陽経、邪の処理、太椎の灸奇形治療 合谷ー陥谷 左右の十字交差で、皮内鍼を打った上から知熱灸を7壮ずつ左右の胃経、大腸経の実に対して,寫法鍼をする。顔面に対して頭は虚していたので、太衝ー通里に知熱灸を5壮づつすえる。この治療を終えると、顔面の痛み解消、違和感もほとんど解消した。

 

2回目

 

引きつるような痛みは無いが、口の周りの違和感は変わりないという。同じような治療をする。大腸経,胃経の鍼は入念にする。治療後 違和感消失。

 

考察

 

胃経、大腸経に熱を持った病であることから、食べ物で何かあったのではないかと思いよく聞いてみると、栄養剤ぐらいしか思い当たらないという。毎日3本は飲んでいるというもう何年も飲んでいるそうだ、これが原因かどうかは判らないが、とにかく栄養剤は止めて自然の野菜を煮炊きしたものを充分食べるように指示する。その後、完全に治るまで3回の治療で終了した。

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