臨床例

リウマチ 2008.03.22

61歳 女性

 

この患者さんは3年ほど前からときどき来ている患者さんで、リウマチを患ってからは5年になる。副腎皮質ホルモンを多量に服用していたため、鍼灸治療をしながら徐々に使用量を減らしていった。現在では1粒の薬を4分の1に分けて1日1回飲んでいる。

 

痛みが出たときには必ず鍼灸治療に来ている。鍼灸治療では効果的に痛みを取り除くことが出来る。痛みがなくなったからといってリウマチが完治したこととは別である。この患者さん最近では2ヶ月に1回くらいの割りで痛みが出たときだけ来ている。

 

平成19年6月29日 久しぶりで右の股関節が痛くなったといって来院した。診察してみると肝臓系統が異常興奮して、すい臓系統が弱っている。「近頃、肉を食べる機会が多くなっているのと違いますか」と聞いてみた。「先生に言われて肉食は出来るだけ止めていたのですが、最近、付き合いでジャブジャブを食べに行くことが多くなりました。」「肉を食べるとそんなにリウマチには悪いのですか?」「61歳になって肉や油濃いご馳走を食べると、肝臓系統が食物を分解するのに大変な苦労をするのです。」「そのため肝臓系統は異常興奮して何とか食物を分解してしまいます。」「そのシワ寄せがすい臓系統を弱らせます。」「リウマチというのは間接の病気で、すい臓系統が弱ると出てくるのです。」このように説明して肉食、油物、ご馳走は止めてもらい、野菜を中心に海草、小魚、穀物、納豆など出来るだけ自分で料理した食事を取るようにしてもらった。

間違った食生活をしながら鍼灸治療だけで完治することは無理なので、食生活を正してもらうことが完治することの条件になる。少しだけ飲んでいる薬も近いうちに止めてもらうことにしている。副腎皮質ホルモンという薬は急に止めるとショックを起こして病気が悪くなるため、慎重に徐々に減らしてもらった。薬を飲んでいたのでは本当の完治は難しいと思っている。

 

治療

 

左の胸椎6番~9番、脊際にあるしこりに対して、接触鍼という鍼をして筋肉を緩め、その後、知熱灸をして補った。この胸椎6番~9番は肝臓系統と関係が深く、ここを治療することによって、肝臓系統の異常興奮を鎮めることが出来る。

 

次に脾腎相克という、すい臓系統を強める鍼灸治療をした。このような治療をするとその場で痛みがなくなり、2ヶ月くらいは普通の状態で働くことが出来る。

 

考察

 

手の関節が曲がったり、あちこちの間接が動かなくなるリウマチは難病として扱われています。しかし、他の病気と同じで食生活をしっかり管理して、なるべく薬に頼らず、生活環境も正して、内蔵を自然な状態で健康になるよう、患者自身が節制することが一番大切です。鍼灸治療はもっとも自然に近い治療法で、副作用も少なく、即効性もあり、理想的な治療法であると思います。

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