臨床例

便秘のメカニズム 2015.09.06

便秘のメカニズム 香川県高松店 丸亀店

 

 便秘しやすい人は、食欲旺盛な人が多い傾向にあります。食べ過ぎ、間食、夜食などが、長年続くと体が変調をきたします。

 

 腰骨の4番5番あたりの筋肉が硬くなり、腰骨に巻き付いて、そこから出る神経を圧迫します。

 

 ここから出る神経は、腰骨から出て大腸や内臓に分布していますので、腰骨で神経を圧迫されると、大腸下部の動きが悪くなるのです。

 

 神経の圧迫で大腸下部の動きが悪くなり、横行結腸から下降結腸へ便が送られる動きが悪くなります。これが第1の原因です。

 

 食べ過ぎ、間食の多い人は、腹のみぞおち辺りが弱ってきます。このみぞおちの弱りに対して、下腹部が強くなります。この下腹部の強さが腹の中にある大腸下部の動きを束縛して、便の動きを悪くしています。

 

 これが第2の原因です。要するに、腰の側からの原因と、腹の側からの原因による2重の束縛で便秘は起ります。

 

 食生活で注意することは、3度の食事以外の間食、夜食は絶対に取らないことです。特に夜食をとって眠ると、消化するのに内臓がとても疲れ、みぞおち辺りが弱ります。

 

 その反動で下腹部が強くなり、大腸下部の動きを束縛します。便秘のある人にとって夜食は、魔の夜食となります。

 

 鍼灸治療ではどのようにして便秘を改善するのか?

 

 初めに書いたように、腰椎の4番、5番、辺りが、日頃の過食、間食、によって硬くなっている人が多いのです。まずここを和らげて、神経の働きを良くし、大腸下部の動きを活発にするようにします。

 

 その為には、提鍼といって弱っている部分を探査できる器具を使って、何番目から何番目までの間に強く反応が出ているかを調べます。その部分に印をつけ、知熱灸で何回も温め、補うのです。

 

 この操作によって、腰椎神経の流通が改善され、下部大腸や下部内臓などは活発に活動するようになります。

 

 腹部では、みぞおち辺りの弱っている部分を、これも提鍼で反応を求め、印をつけます。ここも知熱灸で温め、弱っている反応を改善させます。

 

 みぞおち辺りの弱りを改善してやると、面白いことに、下腹部の強くなっていた反応が取れるのです。これによって下部大腸の動きはさらに活発になり、横行結腸からの便が、スムーズに下降結腸に降りてくるようになります。

 

 こうなると朝の便意が活発になり、スムーズな排便へとつながる訳です。

 

 鍼灸は薬と違って、副作用がなく、健康な方向へのアプローチが排便の引き金となっていることを考えると、大変望ましい治療法だと言えます。

 

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