臨床例

舌がピリピリと痛い 2017.03.07

舌がピリピリと痛い  高松店 丸亀店

 

臨床例 58歳 女性 舌がピリピリと痛むので困っている。今年の春から痛みはじめ、もう6か月になるが、一向に痛みが止まらない。不思議なことに、ご飯を食べるときには何ともない。普段はいつもピリピリと痛んでいる。

 

 今年の2月ごろ風邪を引いて喉が痛くなり、病院に通ったのだが治らない。病院を変えてみたが治らない。3か所の病院を変えて、やっとのことで喉の痛みは無くなった。

 

 ところがその頃からどういう訳か、舌がピリピリ痛むようになってきた。これは

その内に治るだろうと思っていたが治らない。病院に行って検査しても、原因が分からず治療のしようがないと突き放された。

 

 角度を変えて鍼灸治療でやってみようと思い来院した。先生、舌がピリピリ痛むのなんか治るのでしょうかね。治る可能性はあります。症状があるということは、身体のどこかに変調がある訳ですから、その変調を見つけ出して整えてやれば治るのです。

 

治療

 

 顔に提鍼を当て、虚実を診ると、顔全体に実と虚の反応が出ていた。このように顔全体に反応が出ている場合は、奇経治療の適応症なのです。顔ですから合谷-陥谷に提鍼を当て、脈を診ると実と虚の反応が出ていた。

 

 早速、左右の合谷―陥谷に印をつけ、接触鍼をしてから知熱灸を据えた。これでどうですか? 舌のピリピリ感は違ってきましたか? しばらく舌を動かしていたが、少し違ってきたような、変わらないような感じですと言う。

 

顔面の反応はすっかり取れていたので、他の治療をして終わりとした。

 

 4日後、来院して言うのには、あらから帰って夕方ぐらいから、だんだん舌のピリピリ感が少なくなってきた。今日は初めの痛みを10とすると、5くらいの痛みに軽減している。

 

 奇経反応を調べてみると、今日は全く反応が無くなっていた。これでは奇経以外の治療点を見つけなければならない。

 

 5行の色体表では,肝は目、心は舌、脾は唇、肺は鼻、腎は耳、となっています。それによると心は舌ですから、提鍼で手の小指内側(心経)を探してみると、実と虚の反応がはっきりと表れていた。

 

小指内側でも第3節に最も反応が強い、両方の手掌小指1-3Kに印をつけた。

 

実と虚の反応であるから、手掌は実でなければならない。手掌と手背、前腕陰、前腕陽、上腕陽、上腕陰、を比較脈診した。手掌が一番実である。これで手掌1ー3Kが間違いなく治療点である事が分かった。

 

 接触鍼をしてから知熱灸を反応が取れるまで据えた。どうですか? 舌の具合を見てください。アー、少しピリピリ感が薄らいできました。

 

 このピリピリ感は、もう少しで良くなりますからもう1度、通ってください。この患者さん、3回の治療で完治している。

 

 考察


風邪引きのあと2か月間、喉の痛みで病院を3か所も転々としてその間、薬をだいぶん飲まされた。それが原因で心経に変動が起こり、舌のピリピリ感が出たものと思われる。

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