臨床例

激しいめまい 2017.03.24

 

激しいめまい   丸亀店  高松店

 

 アー もう駄目、目が回って我慢できない。先生何とかしてください。目を開けるとグルグル回るし、外の光がまぶしくてよけい回る感じがします。寝台に上がって、診察中のことであった。突然、患者さんが叫びだした。

 

 このように緊急の場合は、診察は後回しにして、めまいの治療を最優先する。めまいは肝実が多い、中封穴に提鍼を当てて、脈を診ると沈脈が激しく打っている。これを取り除かなければならない。

 

治療

 

 鍼先を中封穴に当て、慎重に邪を取り除く手技を行った。脈状に激しく突き当たるような感じが少しずつ収まって、やがて穏やかな脈に変化してきた。これでめまいは収まっているはずだ。

 

 目を開けてください。今、目が回いますか? あら、嘘のようになおっているわ!!  頭を左右にゆっくりと動かしてください。 どうですか、目は回りませんか?  頭がスッキリして、目の回る感じがすっかりなくなりました。

 

 65歳になるこの奥さん、今日はどうしても外せない、重要な会合があったのだが、朝からめまいが激しく、このままでは会合の途中で倒れる心配があった。そこで仲間の人に頼んで、午前中だけ無理して治療時間を取り、やってきたのだった。

 

 これで今日の会合を何とか乗り切ることが出来る自信がついたわ。先生ありがとう。 急ぐので、今日はここまでにして下さい。明日また本格的な治療をしに来ます。そう言ってそそくさと出て行った。

 

肝実

 

 激しい眩暈は、肝実といって、肝臓系統の過敏反応からきていることが多い。
治療点としては、中封穴と太衝穴がある。どちらを使うかは、提鍼を当て実の反応がある方を使う。どちらの穴を使うにしても、左関上と尺中の沈脈は強く打っているという特徴がある。

 

 肝実というのは面白いもので、イロイロな症状に適応する。めまい、ぎっくり腰、寝違い、ふくらはぎの引きつり、緑内障、高血圧、目の痛み、頭痛、外反母趾、鼠蹊部の痛み、など沢山の症状に対して効果を発揮する。

 

 肝臓は沈黙の臓器と言われて、だまって黙々と仕事をしていると思われている。しかし、実際には、仕事が多すぎるとあらゆるところに、過敏反応を起こして、本人に警告を発している臓器なのです。

 

 肝臓は過敏反応という病気を起こして、本人の生活の中で何が間違っていて、この病気になったのか反省して欲しいと、願っているのです。薬を飲んで、その症状だけを取り除いて、生活の中身をぜんぜん変えて貰えない肝臓は、哀れな臓器なのです。

 

 今回の激しい眩暈の患者さんも、食生活を聞いてみると、食べ過ぎがあって、押さえられないということでした。この食生活を改善しなければ、また同じことの繰り返しになりますよ、というと本人は、私も食べ過ぎはいつも気にしていたのです。もっと頑張って少食にします。と反省していた。

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