臨床例

50肩 夜間痛もある 2017.02.18

50肩 夜間痛もある

 

臨床例 男性 50代

 

 3年前より左肩が痛みだした。そのうち治るだろうと思っていたが、一向に治らない。病院で診て貰っているのだが、左肩の石灰沈着が出てきたと言われた。

 

 最近では、寝ていてもうずうずと痛く、あまり痛い時は、鎮痛剤を服用している。腕の置き方で、痛みが出てくるので、腕の置き方を変えている。

 

 あまりにも治らないし、鎮痛剤を服用していると、胃も悪くなる。うずうずして、安眠できない。そこで、鍼灸治療ではどうかと思い来院した。

 

 このように、じっと寝ていても痛むのは、血流が悪くなるためです。腕の置き方を変えると少しは良くなるのも、血流を一時的に開放するためです。

 

 この血流を妨げている原因を取り除いてやることが、治療のポイントとなります。腋の下に大きな血管が通っており、ここの血流を妨げていると考えられます。

 

 指に提鍼を当て、脈を診ることによって、どの指の経絡に、病気のある反応かがわかります。左の50肩に対して、右に治療点を持ってきますので、右手の指で反応を探します。

 

 陰経では手の示指内側4-2K、手の中指内側1-3L、陽経では手の拇指外側1-5L、に虚と実の反応が認められた。

 

いずれもウエーブで上腕に飛び、右上腕陰4-2K、右上腕陰1-3L、(この2か所は脇に下に治療点がある)右上腕陽1-5L、以上3か所を治療点とした。

 

 実と虚の反応であるから、接触鍼をして、実の反応を取り除き、その後、知熱灸をして虚の症状を取り除いた。

 

 この治療で、その場は腕を自由にあげることが出来た。2回目、夜間痛はだいぶ良いが、腕を上げるときはまだ痛い。前回と同じような治療をする。


 3回目、夜間痛はかなり良くなったが、前方から上にあげるときは、まだ痛いという。手からの反応は、手拇指陰5-1Kに虚の反応だけとなっていた。残りの夜間痛は上腕に飛び、右上腕陰5-1Kの知熱灸でよくなる。

 

 左腕の前方挙上は、手からの反応が皆無であった。このような場合は右足からの反応で対処する。右足背拇指5-1Kに実と虚の反応があった。そこから大腿陽に飛び、大腿陽5-1Kを治療点とした。

 

 あおむけの体制で、大腿陽5-1Kに接触鍼と知熱灸をした。この治療をした後で、寝たまま、左手を前方挙上させてみると、ほとんど痛みは無くなっていた。

 

 50肩治療のコツは、①手足の指に必ず反応が出ているから、その反応をうまく掴むこと。②治療点は患側の反対側に取ること。③まず手背、手掌の反応から上腕に飛び治療する。④それで取れなければ、足背、足底の反応から大腿に飛び治療すると良い。

 

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