臨床例

甲状腺機能亢進 2017.03.25

 

甲状腺機能亢進  丸亀店  高松店

 

 朝が起きられない、不安感がある、人と会いたくない、疲れる、胸がドキドキする、等の症状で学校にいけないのです。お母さんが心配して子供(中学2年生の女子)を連れて、鍼灸治療に来た。他人が見ると怠けて、学校に行かないように見られるのです。

 

 もう、3カ月になるのですが、学校には遅れて行ったり、昼から行ったりしている、休む時も多い。兎に角、朝がつらくて起き上がれない。だるくて不安感も強いので、気分がスッキリしない。

 

病院では異常なし

 

病院で色々検査したが、何処も異常がない。挙句の果て、精神内科に行くように言われた。子供が学校へ行きたくないので、うそをついてずる休みをしていると思われているらしい。

 

 親も心配して、子供の様子を詳細に観察したが、うそをついて、ずる休みしているとは思えない。子供は子供で真剣に悩んでいる様子がうかがえる。特に朝起きた時のつらそうな様子はただ事ではない。病院で分からないのなら東洋医学で診て貰おうとやって来た。

 

甲状腺機能亢進

 

 診察してみると甲状腺の機能が亢進している反応があった。提鍼の銅で喉仏の下を横にさするのである。左手で脈を診ていると、沈脈が強く打ってくる。この反応を察知することによって甲状腺機能亢進が分かる。

 

 また、副甲状腺というのが喉の横、3行線(縦の線)に通っている。この3行線を提鍼で診ることによって、副甲状腺も異変があるかどうかが分かる。この学生は甲状腺機能亢進と副甲状腺機能亢進があった。

 

 この甲状腺機能亢進は、ウイルスの感染によって発症するものと思われる。初期の頃は、病院の検査でもわからないらしく、原因不明として扱われることが多い。うつ病によく似た症状が多いため、うつ病として診断されることもある。

 

 治療


 
 甲状腺は喉にあるのだが、治療点は別にある。甲状腺機能亢進に対して、前腕陰3-1K,下腿陽4-1K,をとる。前腕陰は喉に関係しているし、下腿陽は後頚部に関係している為、治療点として有効なのである。

 

 副甲状腺に対しては、前腕陰3-2L,下腿陽3-2L,を治療点として選んだ。喉と後頚部を挟むようにして治療点としている。3は3行線であり、Lは縦の線を意味する。

 

 治療後、身体のダルサが取れ、肩首、前頸部から胸にかけての重だるい感じも無くなった。気分の悪さも無くなった。1週間後来院した時に、お母さんの言うことには、部屋に閉じこもっていた子供が、珍しくお友達のところに遊びに行くと言いだして、3日ほど続けて外出したとのことであった。

 

 甲状腺機能亢進は1回や2回の治療で治るものではないが、何回か続けていると徐々に快方に向かい、完治することになる。

 

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