臨床例

腰の曲がりと男性ホルモン 2017.04.22

 

腰の曲りと男性ホルモン

 

 

臨床例 男性 77歳 腰の曲り

 

 最近特に腰が曲がってくることが自分で感じるようになってきた。腰がまっすぐに伸びない。特に疲れてくると前かがみで歩く。もう1年位前から腰が前かがみになっていくのを感じていた。とうとう自分も老人になったかとがっかりしている。

 

 臀部が重痛く少し前かがみになると楽になる。臀部は疲れやすく、立っていると痛くなって、すぐ腰かけたくなる。腰かけると楽なのだが、長時間腰かけていると臀部が重だるくなる。

 

 腰の曲り、臀部の痛み、等は男性ホルモンの衰えと関係が深い、年齢とともに男性ホルモンは減少してくる。特に老人の腰の曲りと男性ホルモンは関係が深い。そこで男性ホルモンの働きについて記すことにする。

 

 

男性ホルモンの働き

 

 

① 濃い髭、太い骨格、男らしい体格、筋肉の増加。
② 身体や心の状態を左右する。
③ バイタリティを高める、活力の増加。
④ 男性性器の発育、性欲を高める。
⑤ 幸福感、やる気の元となるドーパミンを産生する働きもある。
⑥ 精子の形成。
⑦ 内臓脂肪の増加を抑える。メタボになるのを抑制する。
⑧ 動脈硬化の防止、血管の健康維持、血清タンパクの合成。
⑨ うつ、性欲、記憶力、認知力、集中力、睡眠に関係する。
⑩ ドライアイ、ドライマウス、にも関係する。

 


 老齢による男性ホルモンの低下は、腰の骨密度が低下して、骨が盛り上がり、軟らかさが無くなる。腰から臀部にかけての筋肉が弱くなり、疲れやすく、重痛い感じが出てくる。前傾姿勢が楽になり、腰が曲がってくる。

 

 男性ホルモンを復活させる治療点

 

 

 血海穴、大腿陰3-5L、が男性ホルモンを復活させる治療点となります。どちらも弱っていますので、知熱灸で補います。右血海穴を使ったら、左に大腿陰3-5Lを取穴します。左血海穴なら右大腿陰3-5Lとなります。提鍼で弱りを確認して左右を決めてください。

 

 左右同時に補うと、治療効果は無くなります。ホルモン系統は斜め取穴で効果を発揮します。

 

治療

 

 この患者さんには左血海穴、右大腿陰3-5Lを取穴して知熱灸で補った。本治法、その他の治療もしたが、記載は省略する。1週間後に来院した時の感想では、腰の曲りが幾分持ち直して、腰の疲れ方もだいぶ違うということであった。

 

 それよりも夜中に3回もトイレに起きていたのが、1回で済むようになったのが、今回の治療では大満足であったと言う。週1回の治療で今後、定期的に来院することで腰の曲りを抑制することにした。

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