胸から出る咳 2017.02.14
胸から出る咳 丸亀店 高松店
臨床例 男性 65歳 胸から出る咳
咳が出るのだが、胸がゼロゼロして、胸の奥から出てくるような咳をする。胸も痛く、背中も痛い。痰もでる、食欲もない。肺炎のような症状だが、そのくせ熱がないし、その他は正常である。
ただ、咳き込むと、息が苦しくなるほど続けさまに咳が出る。しかも胸の奥から出る咳なので胸も痛くなる。ゼーゼーという胸から出る咳で、深刻な症状がうかがえる。
熱がないので肺炎とは言えないが、肺の中に細菌が入り込み炎症をおこしていることは間違いない。
診察
提鍼で調べると、腰や腹など、他のブロックと比較脈診して、胸が一番虚となっていた。手の拇指内側で肺経5-5Lに虚があり、ウエーブで胸に飛び、治療点は胸の5-5Lとなった。
治療
次に足の方から、脾経4-1Kの虚に対してウエーブで胸に飛び、胸の4-1Kを治療点とした。これで胸の治療点は2か所となり知熱灸をした。
背中の痛みに対しては、足小指1-1Kに虚の反応があり、そこからウエーブで背中に飛び、背1-1Kが治療点となった。ここは咳止めの特効穴でもある。
激しい咳に対しては、手の肺経2に実の反応があり、ウエーブで前腕陰に飛び、前腕陰4-1K【太淵2】が治療点となる。ここは実の反応であるから、接触鍼で寫法を行った。
本治法
本治法は肺肝相克である。風邪ひきだから経金穴を使うのではないかと思い、提鍼で確かめると、どのように検査しても合水穴を使うような反応が出る。ただの風邪ひきなら経金穴を使うのだが、肺炎になると合水穴に変化するのかもしれない思い、合水穴で治療した。
治療を終わると、とても体が楽になったといって喜んだ。咳もゼーゼーも収まっている。
肺炎の場合は、連続で治療するほうがよい。肺炎が内部に入り込まないように、毎日治療した。
3回連続で毎日治療したところ、元気も出て胸の痛みも少なくなってきた。4回目、連休があり3日開けて、4回目の治療をした。
3日開けてどうなったか心配していたが、元気で来院した。声も正常になり、胸の痛みも無くなったという。食欲も普通になり身体の動きも良い。多少残っていた症状をかたずけて完治とした。