臨床例

下奥歯の痛み 2017.03.10


下奥歯の痛み  丸亀店  高松店

 

臨床例  女性 58歳 右下奥歯の痛み

 

 仕事が忙しく、身体の疲れもあったのだが、5日ほど前から急に右下の奥歯が痛くなりだした。歯茎が腫れて、ほっぺたも腫れてきた。寝ていてもズキンズキンと痛みが襲ってくるので、夜も安心して寝られない。

 

診察

 

 右の頬っぺたに提鍼を当て、虚、実の検査をしてみると虚の反応であった。歯の痛みでも、虚の痛みもあれば、実の痛みもある。どちらの痛みか見極めることも大切になる。

 

 提鍼で虚の範囲を、検査してみると、顎から耳タブの所まで横に、虚の範囲が広がっている。これは顔の経脈の範囲に病巣がある事を示している。そのなかでも右顔面1-3Kが特に虚となっていた。

 

 顔面と手掌は密接な関係にありますから、左手掌1-3Kと顔面を、比較脈診をしてみると左手掌の方が虚となっていた。治療点は左手掌1-3Kということになる。

 

治療

 

 虚の反応であるから、左手掌1-3Kを補うために、知熱灸を据えた。3壮ずつすえて反応を診ると、まだ虚の反応が残っていたのでさらに2壮ずつ知熱灸を加えた。これによって虚の反応は無くなった。

 

 右下奥歯の痛みはどうですか? 押さえた感じや、痛みは少し緩和されたけど、まだ痛みは残っています。

 

 歯は骨であり、腎経の管轄に属します。腎経を強めてやると、根本的に骨全体が強化され、当然歯にもよい影響が出てきます。

 

 そこで本治法で腎経を使った。女性でありますから右から上陰陵泉と、上尺沢を補った。左からは上陰谷2と、大腿陰1-5Kを知熱灸で補った。

 

 この治療により歯の痛みはかなり良くなった。これらの治療をその後、3回行い完治している。

 

 本治法の取穴で、上陰陵泉とか、上尺沢と書いてある治療点は、脛の横紋より大腿側にある治療点で、上尺沢は肘の横紋より上腕側にある。本治法で腎虚の場合、治療点は大腿陰や上腕陰に取っている。

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