だるさ 2017.02.09
ダルサ
身体がダルイ、膝から下がダルイ、やる気がない、動きたくない、など、ダルサに関する症状は、かなり多くの患者さんに訴えられます。
特にうつ病の患者さんには、この症状を訴える人がかなり多くいます。足がだるくて夜も良く寝られないという人もいます。
ダルサと言っても、軽い場合もあれば、とても重症で、病気をいくつも抱えて闘病生活も長い人などは、なかなか思うように改善されない場合もあります。
しかし、鍼灸治療を行えば比較的、短期間で改善される場合が多くなります。鍼灸ではダルサだけでなく、根本的な内部の治療も同時に行いますから、相乗効果で治りが早くなります。
臨床例 患者、女性、35歳、うつ病から来る、身体のダルサ
何年も前からうつ病を患っており、統合失調症と言われていた事もある。入院歴3回、うつ病特有の症状だけなら、まだじっとしておればよいのだが、何しろ身体がダルクてたまらない。
一時もじっとしておれない、身体の置き場のないダルサに困り果てている。夜もダルサの為、イライラして寝られない状態である。
母親に付き添われて来院した。不安感と恐怖感が強く、いつ襲われるかとの思いが強く、一人では行動できない。
聞いてみると色々な薬をたくさん飲んでいた。まず、薬の副作用がいかに身体をダメにしているか、話させてもらった。
薬を出来るだけ早く止めることを提案する。その代わり、薬で対応していた症状は鍼灸治療ですべて解決できることを話した。
先生、薬を飲まなくてよいのなら、そんなに良い事はありません。私も飲みたくないのです。ホントにそれで治りますか?
大丈夫です、鍼灸はほとんどの症状に対応できる能力を持っています。しかも、温熱と軽い刺激だけという、超自然な治療法ですから、身体にとって深刻な副作用などは全く出ません。
統合失調症と言われて、何回も入院して、薬も長年、飲んでいますがそれでも回復する見込みはありますか。
急に治るという訳にはいきませんが、1年間ぐらいの治療期間を考えてくだされば、ほぼ完治に近い状態まで持って行けると思います。
患者さんは納得して治療が始まった。1週間、2回のペースで治療を行った。積極的な患者さんで、薬は最初から、いきなりすべての量を半分に減らした。
5回目、薬を減らしたことによる症状悪化はなく、身体のダルサも落ち着いてきた。まだ少しダルサが残っているが、夜寝られないほどではなくなった。
10回目、症状はよくなったり悪くなったりの繰り返しだが、我慢してもらって、薬はさらに減らしてもらった。すべての薬を最小限度の量にしてもらった。
15回目、次回から週1回の治療に変更した。ダルサはなくなった。良く眠れるようにもなり、イライラもなくなった。この時点で、薬は全部やめてもらった。
20回目、薬を全部やめたせいか、皮膚の状態が良くなり、アトピー性皮膚炎のような症状があったのがずいぶん良くなった。
25回目、本人が自ら運動を始めた。とても明るくなり、家族とともに旅行にも行くようになった。本人の希望で治療回数が1ケ月2回になった。
30回目、ほぼ完治となったので、体調が悪くなったときのみ、電話で予約してきてもらうようにした。その後は、時たま来院している。
治療記録 初回のカルテから、1回のみ
本治法 脾腎相克 井木穴を使う、右から足底中指内端、手掌小指内端。
左から足底小指内端、手掌中指内端。
邪の処理。
標治法 足三里L 知熱灸、 ダルサを取り除く。
背3-1K 心臓系統の強化、不安感を取り除く。
腰1-2L 腎臓の強化。
三間 目の疲れを取り除く。
三陰交 膵臓系統の強化。とり越し苦労を除く。
水泉 腎臓系統の強化。恐怖感を取り除く。
背の1-1K 接触鍼をしてから知熱灸 寝つきの悪いのを解消。
手拇指内端 接触鍼 眠りが浅いのを解消。
大衝 接触鍼 イライラを取り除く。