臨床例詳細｜丸亀市・高松市の鍼灸院は普門堂鍼灸院

顔から汗が吹き出る

臨床例　男性　３５歳　顔から汗が吹き出る

　動き出すと、顔から汗が吹き出る。人の顔を見てもそれ程でないのに、自分だけは顔から汗が吹き出すようにポタポタと落ちる。７月だから仕方がないと思っていたのだが、ちょっと様子がおかしい。

　瞼も重い、目が開けにくい、目の周りが重くて違和感がある、目の奥が痛い。汗が吹き出る症状と共に、上記のような症状もあって、顔面が自分の顔でないような、違和感を覚える。

診察

　提鍼を目の周りに当て、虚実の検査をした。額から目、鼻、口、顎まで縦の線、６センチの幅で実の反応が出ている。その中でも額が一番実であった。本治法は肺肝相克で腎水穴を使う証である。

　肺肝相克であるから、肺経も肝経も陰経は虚のはずである。慎重に手の拇指内側と足の拇指内側に実の反応がないか調べてみた。足の拇指内側で先端に実の反応があった。

　肝経は虚であるから実の反応がある事はおかしいのだが、肝経の場合は、時たま虚の中に実の反応が出る事がある。このような場合は、構わずに実としてウエーブで飛び治療点まで行っても良い。

　この人の場合、顔面の額で１－５Ｌが治療点であった。顔面１－５Ｌが実であるから、その絡脈に連なる目、鼻、口、顎、まで違和感があり汗が吹き出るのだ。

治療

　顔面１－５Ｌは実の反応であるから、そこに印をつけ鍼先で３５回ほどさすり、実の反応を取り除いた。提鍼で実の反応が取れているのを確認してから、どうですか目の周りの具合は？　と聞いてみた。

　目をしばらくパチパチさせていたが、良いですね！　目の周りの違和感、目の奥の痛さ、瞼の重さ、汗の吹き出る感覚、ともに無くなったような感じで今はすっきりしています。と言って喜んだ。

　夏場になるとこのような患者さん、意外と多くなるようで、７月に入ってから３人も立て続けに同じような症状の患者さんがやって来た。この症状はとても簡単に取れるので、知っておくと臨床の参考になると思う。ぜひ使ってみてください。