臨床例

肩甲骨内縁のこり 2017.02.06

肩甲骨内縁のこり

 

 治療点 上陰谷 虚の反応であるから知熱灸をして補う。

 

 肩甲骨内縁の凝りは、方言でケン引きとか前ケン引きとも言われている。昔は家の中が寒かったので、この病は多かったのだろう。

 

 肩が重いような、気持ち悪いこりかたをする。特に冷えた時によくでる。腎臓系統の冷えが、首の前横にある星状神経節に影響を与える。

 

 その為、首の前横を押すと、飛び上がるほどの痛みがある。しかし、この痛み、指圧してやると何とも言えぬ、気持のよい痛みになり、指圧だけでも肩甲骨内縁の凝りが和らいでくる。

 

 これは首のこりが、星状神経節を通して、背中の肩甲骨内縁に、こり痛みとなって現れたものだからです。

 

 この肩甲骨内縁の凝りに対して、上陰谷を使う。上陰谷というのは陰谷穴の上方、2㎝のところにある。

 

 右の肩甲骨が凝るときには、左の上陰谷を使う。左肩甲骨の時には右の上陰谷を使う。反対側を使うのがポイントです。

 

 虚の反応ですから、知熱灸で補います.7壮~10壮ぐらいすえます。提鍼で虚の反応が取れたのを確認してください。

 

 上陰谷にある虚の反応が取れると、肩甲骨内縁や前頸部の虚の反応も同時になくなります。それを提鍼で確認してから、患者さんに肩首を動かしてもらい、凝りや痛みがなくなっている事を知ってもらいます。


 
 図1は上陰谷の場所です。図2は頸部前横の星状神経節の位置です。図3は肩甲骨内縁の位置です。

 

本治法、その他の治療は省略しています。図はクリックすると大きくなります。

 

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