治療点 探し方 1 2017.04.04
治療点 探し方 1
臨床例
女性 50歳代 症状
1、 左の耳鳴り 高音で夜も眠れないぐらいうるさい。耳の痛みもある。
2、 のぼせ 顔がかっカとほてり、足は冷えやすい。
3、 右膝の痛み 立ち座りのとき、に痛くて立ち上がれない。
4、 喘息 ゼロゼロと痰 息を吐くときにヒューとなる、何十年も経つ。
5、 肩こり 特に右 痛いほどのこり方。
6、 首のはり 特に左 突っ張るような懲り方。
7、 腰の重く痛い感じ 腰に何か載せているような痛みと重さがある。
8、 甲状腺の病 何十年も経つ。
9、 精神的に不安定 感情の起伏が激しい、ストレスに弱い。
本治法
肺肝相克 虚 1 肝経陰 2 膀胱経① 3 心経
実 1 胃経 2 膀胱経② 3 肝経陽
経金穴を使う。右から商丘 経渠 左から中封 復留 知熱灸
標治法
① 左耳鳴り
提鍼で左耳の周りをさすっていくと、耳の後ろ側で絡脈に、実と
虚の反応があった。右足背、先端の絡脈に実の反応あり。その中でも
肝経陽が強い。治療点は足拇指外端となり、接触鍼をして反応がなく
なってから知熱灸。
また、左耳の痛みに対しては、右然谷穴に知熱灸をすえる。耳の下、
翳風穴あたりの痛みには、特効穴として然谷穴がよく効く。
② のぼせ
顔面は胃経が走っており、胃経は実になっている。提鍼で顔面の胃経を
さすると実の反応あり、足の胃経からウエーブで背中に飛び、
背の4-1K、両側に治療点を取る。接触鍼、反応がなくなるまで。
③ 左膝 立ち座り時の痛み
立ち座りに不便を感じるのは、膝の弱っている証拠。左足背の先端
絡脈に虚の反応あり。その中でも胆経が弱っていた。左足背から
ウエーブで右下腿陽に飛び、右陽陵泉Lが治療点となる。知熱灸
反応が取れるまで。
④ ぜんそく ゼロゼロ、と痰
のどを提鍼で探ってみると虚の反応であった。この喘息は虚の喘息
であると判定。肺経1、拇指付け根に虚の反応あり。手掌から
ウエー ブで前腕陰に飛び、太淵1が治療点となる。知熱灸、反応
が無くなるまで。
⑤ 肩こり 両方であるが特に右が痛いほど強くこる。
実の反応と見て、胃経を探ると強い実の反応あり、足背から
ウエーブで背中に飛び、背の4-1Kの両側に治療点を取る。
ここは前記の顔のほてりとも一致する。接触鍼 反応が無くなるまで。
⑥ 首の張り 特に左 突っ張るような感じ。
実の反応と見る。左足背、膀胱経2の経脈を提鍼でさすると、実と
虚の反応が経脈に沿って出ている。その中でも足背付け根が
一番実であった。そこからウエーブで右下腿陽に飛び、右下腿陽
の2-1Kが治療点となる。実と虚の反応であるから、接触鍼をし
て反応がなくなったら知熱灸をすえる。
⑦ 腰の重く痛い感じ。
腰を使うと痛くなるというので、実の反応とみる。膀胱系2が実であ
るから、提鍼で探してみると足の1-2Lに実と虚の反応が出て
いた。そこからウエーブで大腿陽から腰に飛び、腰の1-2Lに
治療点を取る。接触鍼をしてから知熱灸をすえる。
⑧ 甲状腺の病
何十年もたつ甲状腺の病は、全身病とみて本治法を一番に考える
次に喉の疾患は腎臓に関係することから、腎経を診ると腎経の2行
線が虚であった。ウエーブで診ても、足底が虚であった。足薬指内端
を治療点とする。
⑨ 精神的な不安定
病気のストレス、生活上のストレスが多いと、心臓への負担が大きくな
ります。心臓の負担は、不安感、ドキドキ感、落ち込み、やる気が出ない、
などの症状となって現れます。
その心臓を安定させるためには胆経を使います。胆経は子午関係で
心経と繋がっており、胆経を補うと心経も補われます。
足背の中指は胆経ですから、胆経の3-1Kに虚の反応があるのを確
認して、ウエーブで背中に飛び、背の3-1Kを治療点として取穴します。
背の3-1K(脊椎4,5、の上)は神道穴あたりに位置し、ここから肋間
神経がろっ骨を伝って、前に回り心臓に分布しています。その関係で背の
3-1Kを補うことは心臓を直接補う効果があります。
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