臨床例

円形禿げ 2010.03.23

女性31歳 既婚

 

2年前より円形禿げが出来はじめた。初めは1個か2個ぐらいであったが、今では頭全体に20箇所近くあり、頭全体の半分が禿げている状態である。

 

原因

 

精神的ストレスが原因といわれているが、はっきりした原因は判らない。

 

診断

 

頭の禿げている部分の状態は、弱りと過敏が同居している状態であった。このように弱りと過敏が同居している状態の場合、治療は鍼をして過敏状態を取り去ってから、そのご、灸をして、弱りの部分を補う手法をとる。

 

経過

 

頭部の禿げに対して、治療点を背中にとり、頭部と完全に一致した背部の治療点を特定して治療するのに苦労した。しかし、徐々によくなり、5ヶ月(周2回)の治療で完全に毛がはえそろった。

 

以下治療方法を記入する。

 

頭の区分

 

頭全体を5等分して前頭部を5、 頭頂部と前頭部の間を4、頭頂部を3、頭頂部と後頭部の間を2、後頭部を1、とした。

 

その5等分を横に線を引き耳のところまでをそれそれの範囲とした。

頭の正中線を中心に左右2つに分けた。

 

禿げた部分

 

1、この区分の中で左4、と3、の正中線と耳の中間部分に直径5センチくらいのはげ。

 

2、左後頭部1、のやや耳寄りに直径4センチぐらいの禿げ。

 

3、右2,3,4、の正中線と耳の中間部分に直径7センチぐらいの禿げ。

 

4、上記の部分が大きな禿で、あとは2センチぐらいのが所々にある。

 

当院では、治療点を患部の頭に直接施術することはしない。頭と密接な関連を持つ他の部分で治療をする。

 

治療点

 

背中に治療点があった。

右頭部の禿げに左の背中、左頭部の禿に右の背中を治療点とした。

太椎と胸椎19までを5等分した。太椎と胸椎、を1、 胸椎、を2、胸椎、を3、 胸椎、を4、 胸椎、を5、とした。

5等分から脇腹まで線を引き、それぞれの区分とした。

背骨の正中線を中心に左右2つに分けた。

 

治療

 

禿げた部分1、の左禿げ5センチに対して、右背中43、の正中線と脇腹の間を治療点として、接触鍼をして実の反応を取り去り、その後、知熱灸をして補った。

同じく2、の左後頭部のはげ4センチに対して、右背中1、のやや脇腹よりを治療点として、上記にような鍼灸をした。

頭右2,3,4、にある7センチの禿げに、左背中2,3,4、の脇腹との中間点に鍼灸をした。

 

このように、右頭に対して左背中の対称点を治療することによって5ヶ月で完治した。

 

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