耳鳴り 2024.01.29
耳鳴り
臨床例 男性、64歳、耳鳴り
症状
もう何年も前から両耳にジーンと言う耳鳴りが聞えて気になって仕方がない。疲れた時とか冷えた日には、耳鳴りが大きくなるようだ。昼間でも夜中でも鳴り続けている。耳鳴りが止まったことは無い。
診察
深谷氏は本の中で、然谷穴を推奨しているが、白内障に対しては聴宮穴と角孫穴で白内障を改善させたことを書いてある。何故、白内障に対して聴宮穴と角孫穴なのか?不思議に思った。もしや三叉神経に関係しているのではと思った。
早速、三叉神経の走行について調べてみると、聴宮穴の所から三叉神経が出ており、第1枝は目の周辺に関係している、第2枝は鼻の周辺に関係しており、第3枝は下顎骨周辺に関係している。感覚神経を支配しているという。
目、鼻、舌、耳、感覚、匂い、味覚、視神経、聴覚、などの感覚に影響を与えているのが三叉神経であるようだ。とすると耳の聴覚に対しても影響を与えているのではないだろか?
この患者さんの聴宮穴と角孫穴に4粒の提鍼を当てて検査してみた。しっかりと虚の反応が出ていた。三叉神経を改善させることによって、この耳鳴りは改善するのではないかと考えた。
治療
両方の聴宮穴と角孫穴に印を付け、虚の反応であるから知熱灸で補った。5壮づつ補ったところで虚の反応が無くなったので、治療をいったん中止した。耳鳴りの音はどうなりましたかと聞くと、まだ鳴っているという。
両方とも鳴っていますか? イヤ、左だけ鳴っていると言う。そこで右の聴宮穴、角孫穴、に提鍼を当て検査すると、右側はまだ虚の反応が残っていた。そこで右の聴宮穴、角孫穴に知熱灸で3壮づつ追加した。
この治療で、耳鳴りは完全に止まった。しかし、明日になるとまた耳鳴りが復活して来ると思われるので、しばらく通ってくるように指導して治療を終了した。この治療で、耳鳴りは三叉神経の異常であると確信した。