臨床例

子宮脱などの婦人科疾患 2024.10.19

深谷伊三郎氏の書いた鍼灸の本に淋病の治療法が載っていた。戦前は淋病が大流行で、淋病に鍼灸がよく効いていたそうだ。その取穴法は足の三陰交とその外側にある懸鐘穴を使うという打ち抜きの灸であった。

三陰交と懸鐘に多層灸をすえることによって、淋病を見事に治していたのである。この事例を読んだときに、淋病でなくても子宮脱、子宮がん、子宮内膜症、婦人科疾患、卵巣嚢腫、などの婦人科疾患にも効くのではないかと思った。

そこで、子宮やその近辺に疾患のある患者さんに、三陰交、懸鐘の反応を、鍉鍼で探してみると、かなり多くの患者さんに反応があった。

深谷先生は淋病の患者さんに直接灸を三陰交と懸鐘に3050壮の多壮灸をして熱さが浸透するまで据えていた。しかし、直接灸は熱いし火傷もするので患者さんは嫌がる。知熱灸だと熱さは緩慢で、刺激もさほど強くはないのでこれで試してみた。これで果たして効くのだろうか? 私自身、半信半疑であったが、患者さんは施灸後、子宮脱が軽くなるという。

三陰交と懸鐘の知熱灸は少し熱過ぎるぐらいで、反応が取れても多めに施灸した。週に1回の施灸で、5回目ぐらいの時、子宮脱はほとんど無くなったという事であった。しかし、知熱灸である為、週1回の知熱灸は全部で10回継続した。

この患者さん色々な症状を持っていて、子宮脱はその1部であった。今までは、全体的な治療と共に漏谷を主治穴としていたが、三陰交と懸鐘の施灸の方が、よりうまく効果を上げたものと思われる。

子宮脱のみならず、子宮がん、卵巣嚢腫など、婦人科疾患には、鍉鍼で確認して虚の反応があるようだったら、三陰交と懸鐘の施灸をやってみるのも良いと思う。

私は鍼灸医学の大先輩として深谷伊三郎氏の書いた本を何度も読み返している。深谷先生の考え方が私にはぴったりと合っているので、何回読んでも飽きることがない。鍼灸業界にも偉大な先輩がいたものである。

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