血圧 2010.09.16
血圧
突然に変動する血圧にびっくりする人が多い。今までなった事の無いような血圧の上昇に、ひどい病変が起きたのではないかと右往左往する人もいる。
血圧の症例
朝早く60歳代の奥さんがやってきた、昨日から頭がふらふらして、動悸はするし、歩いていても自分の身体ではないような感じがする。
怖くなって病院に行ってみると、血圧が195にもなっていた。今までこんなことは一度も無かったのにどうしたことか判らない。
医者で薬づけになるのも怖いので、鍼灸でどうなっているのか診てくれませんかと言って来院する。
診察
診察してみるとあきらかに風邪を引いている。
身体の中にウイルスが入り込むと、肝臓系統が先頭に立って、風邪のウイルスと戦います。その時ウイルスをやっつけるのですが、肝臓自体もかなりのダメージを受けます。
その時症状として、めまい、血圧の上昇、ふらつき、食欲不振、などが起きてきます。
ただ、肝臓は再生能力が非常に発達しておりまして、かなりのダメージを受けても、風邪のウイルスを追い出したら、2,3日で復活してきます。
それに伴って血圧やふらつきなどの症状も回復してきます。
血圧の上昇にあわてて血圧降下剤を飲み始めると、一生辞められないことになります。
この薬は飲み始めたのに勝手にやめてしまうと、突然大きな病変を起こす危険性があるからです。飲まないですむのなら、飲まないほうをお勧めします。
鍼灸治療をすると、帰りには、「先生もうすっかり血圧が下がったような感じになりました、有難うございます。」と言って帰っていった。
この患者さん、その後2回の治療で完治している。突然の病気は治るのも早いのです。
風邪引きが原因と判定して、風邪引きに的をしぼって治療したのが、結果としてすべての症状の解消につながったのです。
ただし、長い間わずらっている高血圧の病気は、このように急に治るわけにはいきません。
治療
本治法 肺肝相克 女性であるから右から経渠、商丘、左から中封、復溜を補った。
右から胃経、大腸経、左から胆経、膀胱経にある邪に鍼をする。
標治法 太椎、陰谷、三陰交、期門、に知熱灸をして補った。