臨床例

胃腸病 2010.03.23

原因

 

胃腸の病でもいろいろありますので、ここでは、胃の痛み、胃酸過多に的を絞って話します。この病は比較的若い人がなり、長年苦しんでいる人が多い。胃酸を中和するクスリを飲むとすぐに痛みは取れるので、薬にいつまでも頼っている人が多い。肉や脂っこい物、過食、が原因で背中が凝ってきます。このような状態のとき風邪を引くと、背中の真ん中で背骨上に炎症が起きるのです。風邪引きは治っても、この炎症はいつまでも残っています。この炎症が問題です、ここから胃の方に向かって神経が出ています。背骨のところから出ている神経に炎症が起きているのですから、胃の中に少しでも食物が入ると、過敏な神経が過激に反応して胃酸をたっぷり出すのです。胃酸は食物を溶かす働きをしますが、余り多すぎると胃腸まで溶かそうとします。そのため痛みが出るのです。胃酸をクスリで中和すればすぐに痛みは止まりますが、長年このままでほうっておくのはよくありません。副作用が必ず出ます。鍼灸で根本から完全に治すことをお勧めします。

 

一般的な治療

 

肉や脂っこいものはぜったいに食べてはいけないが、本人も食べられないことが多い。野菜、海草、穀物、小魚、小エビなど、よく噛んで、口の中でとろとろになってから飲み込むとよい。なにしろ胃腸に行っている神経が過敏になっているのだから、過食や刺激物にはひどく反応しますから、注意が必要です。散歩、ジョッキング、ヨガ、太極拳などの運動を自分にあっただけ毎日するようにしましょう。食生活は、きっちり調整して生活してください。薬にばかり頼っていたらいつまでも治らないし、副作用も怖いです。

 

鍼灸治療

 

00さん 女性  35歳  初診平成16年3月15日

 

脂濃いものを食べると胃が痛くなる。常に背中が痛くて、主人に押してもらうけど、その時だけ楽になるが、すぐ又、同じようになる。下痢しやすく、疲れ易い、胃酸過多、偏頭痛もある。1年以上前に、ひどいインフルエンザに罹り、それが治ってからこのような状態になり、それ以後、あらゆる治療を受けたが良くならず、このような症状が続いている。


本治法

 

脾腎相克 右から脾経、心包経、左から腎経、肺経を補う。肝経の太衝穴に寫法の鍼をする。肝経に実(病変)があるため本治法で太衝穴に鍼をして調整する。

 

標治法

 

胸椎6,7,8,9、番の脊際にこびりついているような懲り(圧痛、硬結)に鍼をして取り除いてやる。胸椎6,7,8,9、番の両側に風邪の菌が作用して起こった病変(圧痛、硬結)があると、背中の痛み、偏頭痛、疲れ易い、胃酸過多、下痢しやすい、胃の痛みなどが起きる。これは背中から胃の方へ向かって走る神経を過敏にさせ、胃の痛みや、胃酸過多を起こしているのです。

 

経過

 

始の1回で症状は8分どうり改善された。このような治療3回で完治した。長いこと苦しんだ胃腸病が3回の治療で完治するのは不思議に思われるかも知れませんが、完全にポイントを把握して治療すれば治るのです。1週間後、息子の病気を治してくれといって来た時,奥さんの方はどうですか?と聞くと、もうすっかり良くなって何ともないのです。と言って御礼を言われた。

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