本治法には正証と変証がある 2020.11.09
本治法には正証と変証がある
令和2年5月から正証に対して、変証がある事が確認されました。普門堂では度々、基本的なことでも変更があるのです。従業員や当院の卒業生、読者の皆さんには基本的なことの変更は大変な負担になると思われます。
しかし、そのような変更の繰り返しを経て、今の普門堂流の鍼灸術があるのです。本治法という基本中の基本で変更がある事は誠に申し訳ないのですが、度重なる実験の結果、間違いないという確信で発表しています。
今回は正証、変証ともに変更が加えられています。その事について今回は詳しく解説していきます。
1、 証の決定はブロックの比較脈診で行う。(今までは指先の比較脈診で決めていた)
2、 大腿陰が肝木穴という名で加わった。手掌が経金穴、前腕陰が栄火穴、上腕陰が愈土穴、下腿陰が合水穴、足底が井木穴。となります。これらブロックの比較脈診で一番弱い所が証となります。
3、 証は、肝木穴の時、肝脾相克と変証の肝脾相克。 経金穴の時、肺肝相克と変証の肺肝相克。 栄火穴の時、心肺相克と変証の心肺相克。 愈土穴の時、脾腎相克と変証の脾腎相克。 合水穴の時、腎心相克と変証の腎心相克。 井木穴の時は、全部の証と全部の変証がある。
4、 一番弱い所が証となり、その証を尅する経は取穴しない。例えば脾経が一番弱い時、脾経を克する肝経は取穴しない。脾経が一番弱い時、証は自動的に脾腎相克となる。肝経を外すので証は1つに絞られる。
5、 脾腎相克の場合、脾経が1番の虚、腎経が2番目の虚、脾経の親である心経が3番目、腎経の親である肺経が4番目の虚となる。
脾経と心経。腎経と肺経。を左右に振り分けて愈土穴で取穴する。
6、 井木穴(足底)に2粒のマグレバンを貼り、1粒の提鍼を残り5つのブロックに当てる。井木穴が虚でない限りは、5つのブロックのうち何処かで実の反応が出ている。そこが一番実で、そこが尅する所が一番の虚である。
7、 足底に2粒のマグレバンを貼り、残り5つのブロックに1粒の提鍼を当て検査すると、手掌で実の反応があったとする。手掌は肺経であるから、肺経が尅する肝経が一番の虚だと分かる。証は自動的に肝脾相克となる。
8、 証を決定する場合、一番に実のブロックを探すことをお勧めします。その実を確認してから、相克するブロックの虚を、ブロック同士の比較脈診で確認してください。
9、 6つの証には必ず6つの変証が付いている。脾経1と脾経2。腎経1と腎経2。肝経陰と肝経陽。心経1と心経2と心包経。がある。正証は脾腎相克の場合、脾経2、腎経2、心経1、肺経1を取穴します。それに対して、変証の場合は同じ脾腎相克でも、脾経1、腎経1、心経2、肺経2となる。
10、この正証と変証の取穴に付いては5つの証ごとに変化があるので別途、記載した表を作ります。
11、正証は子供や若い人に多く、変証はお年寄りや若い人でも何かの疾患を抱えている人に多い。深刻な病気で苦しんでいる人の場合、変証で治療することが多く、当院で治療する患者さんの正証と変証の割合は変証7割,正証3割の確率になっている。
12、変証で治療するようになってから、深刻な病症の改善率が急激に良くなっています。又、リピート率が飛躍的に高くなり、しかも継続します。
13、変証で治療するのはまず証を決めてから、脾経1と脾経2.腎経1と腎経2.肺経1と肺経2.肝経陰と肝経陽。心経1と心経2、心包経を比較して弱い方を取ります。
14、面白い事に正証の場合は脾経2、腎経2、肺経1、心経1などが取穴されます。変証の場合はかならず、脾経1、腎経1、肺経2、心経2叉は心包経と言うふうに分かれます。