経絡治療を始めるにあたって 2008.04.01
経絡治療は医学古典に残る数千年の歴史と伝統による鍼灸術であります。最近の電気針や刺激鍼とは違います。1935年(昭和40年頃)竹山晋一郎、井上恵理、岡部素道の三先生によって唱えだされたものでありますが,これは西洋医学による刺激理論的な鍼灸術と区別するために用いられた名称であります.その源は素問、霊枢や難経に基き、わが国では奈良、平安、鎌倉時代の鍼医術から江戸時代の検校はり医の学術を広く包含するものであります。即ち、その体系は陰陽5行説、気穴営衛、臓腑経絡説を根幹とし、その臨床実践は脈診、証、補寫によって構成される随証療法であり,決して病名治療ではありません。
経絡治療の中には真理がある
2500年前に唱えだされた経絡治療が、科学の発達した現在に通用するということは、その中に真理があるからです。真理とは、何時でも、何処でも、誰にでも、当てはまるという3要素を備えていなければなりません。何時でも、ということは2500前から現在、未来永劫に続いてゆくのです。
東洋医学では気の動きを大切に考える
人体はあまりにも複雑でその科学的な成り立ちは解明されていません。特に気の動きについては、まだ何も判っていないといっても過言ではないでしょう。
気とは炎のようなもので、いくら若くて、健康で、何の病気が無くても、何かの衝撃で一瞬でも気が途絶えたらそこから先は死体なのです。二度と生き返りません。それほど重要な気がどうして問題視されていないのでしょうか。気とは、空気の気、元気の気、天気の気、大気の気、気候の気でありす。実際にあることは誰にでも判りますが、とらえどころの無い、科学的に数量化することの難しいものであります。この気が身体にとって医学的に重要な働きをしているのです。
2500年前に確立された身体と気の関係
昔は医学といっても器械も無ければ、解剖学も宗教的な観点からあまりなされていませんでした。昔は太陽の動きや、地球や星、季節、生物、植物、生きた人間の病気の動きを細かく観察してそこから出来上がったのが、陰陽5行説、気穴営衛、臓腑経絡説なのであります。これらは気の動きを理論的な学問として2500年前に確立されました。12経脉、陰陽の気、気の流れ、気の動き、病気と気の関係など細かく記載されています。
経絡治療から離れようとする学生
身体を根本的に治す力がありますから、本格的な経絡治療は全ての病気に対応できるのです。そのような偉大な力のある経絡治療が、電気鍼や刺激鍼にその場を奪われようとしています。学生、10名の内、9名までが本道から外れた治療に走っています。それは望、聞、問、接、脈診、による診断と鍼技術があまりにも難しく、つかみ所の無いもので、脈診だけで20年かかると言われています。これでは生活できません。
それで手っ取り早くお金になる治療法に行くのです。
身体内部の動きをはっきりと掴む提鍼を開発
普門堂鍼灸院ではそのような難しい、経絡治療に提鍼という、羅針盤のように、その方角が簡単に判るような技術を開拓しました。そのコツさえ判れば、脉診、虚実、補寫、病気の部位、治療点、など全ての治療に応用できるのです。また、灸と鍼を使い分けることによって、補法は灸、寫法は鍼とその特性を生かして補寫の技術が誰にでも出来るように改善しました。
本物の鍼灸技術はあらゆる病気に対応できる
鍼といえば、痛みを取る治療と考えている人が多いのですが、鍼灸は、躁鬱病、更年期障害、肝臓病、腎臓病、不眠症、心臓病、風邪引き、なんでも治療できるのです。偉大な祖先の文化遺産である、本物の経絡治療(鍼灸術)をぜひ習得してください。
そして年々増えている患者、若くして命を落とす病気の人を、救ってあげてください。
何十年か後に、この技術を自由自在に使いこなすことが出来るようになった人は、自分の技術を秘密にすることなく広く後輩に伝授することをお願い致します。