肩こりの標治法 2009.01.09
肩こりは全部の経絡で起こります。したがってどの経絡の肩こりか、虚なのか実なのか、虚実同時の肩こりか、などを調べて対処します。
虚の肩こりには知熱灸、実の肩こりには接触鍼、虚実同時の肩こりには接触鍼をして実の反応が取れてから知熱灸をして補います。
また、2つから3つの経絡が同時に肩こりの症状を現すこともあります。そのすべてに対して、的確に対処すれば、肩こりは根本的に解消されます。
* まず、この肩こりは虚か、実か、または虚実同時の反応を持っているか調べます。
* 肩のこっている部分に提鍼をあて、どの反応があるかを判定してください。
* 次に、どの経絡の異常で起きた肩こりかを探し出します。
* 三焦経の肩こり
肩井穴から首の横、後頭部で耳の後ろにかけて反応があるのは三焦経の肩こり。患側手の中指陽に反応がある。
手中指からウエーブで飛び、前腕、反対側の肘より中央部に治療点はある。
* 胆経の肩こり
肩井穴から首の横、側頭部にかけて反応があるのは胆経の肩こり。足の中指陽に反応がある。
足の中指からウエーブで飛び、下腿、反体側の陽陵泉穴が治療点となる。
* 膀胱経の肩こり
肩から首の後ろ、後頭部、頭頂部、前頭部の正中線近くに反応があるのは膀胱経の肩こり。特に首の後ろがコルと訴える人が多い。足の小指、薬指陽に反応がある。
足の小指、薬指からウエーブで飛び、下腿、反体側の委中、委陽穴辺りが治療点となる。
* 腎経の肩こり
首の前が重苦しく、前胸部や肩甲骨内縁に重苦しいこり感を訴える。反応は前頸部に虚の反応がある。腎経の肩こり。足の小指陰に反応がある。
足の小指からウエーブで飛び、下腿内側の陰谷穴が治療点となる。虚の反応が多いから知熱灸を、虚の反応がなくなるまですえる。
* 小腸経の肩こり
肩甲骨の天宗穴辺りにコリを訴える人、これは小腸経の肩こり。手の小指陽に反応がある。肝陰実があって小腸経と比較、小腸経のほうに実のある場合が多い。
患側、手の小指からウエーブで前腕部、上腕部から背中に飛んで、反対側の背1-1Lが治療点となる。
* 肝経の肩こり
首から頭の付け根、盆の窪辺りに突き上げてくるような肩こり。肝実陽の場合が多い。足の親指陽に実の反応がある。親指から下腿、大腿を経て、背中に飛び胸椎8番9番が治療点となる。
* 肩こりはすべての経絡で起こりますから上記以外の肩こりもあります。
しかし、主な肩こりをする経絡は上記の場合が多いです。
上記の肩こりをすべてマスターしておけば大体の肩こりには対応できると思います。