陰は上り、陽は下る、気の循環 2015.09.03
陰は上り、陽は下る。気の循環
気は体の中を循環しています。陰の気は足の裏から、下腿陰、大腿陰、陰部、腹部、胸部、喉、顔面、上腕陰、前腕陰、手掌。このように足の裏から腹、胸を通り、手のひらまで上がってきます。これが陰の循環です。
陽は手のひらから、手背に回り、手背、前腕陽、上腕陽、頭部、後頸部、背部、腰部、臀部、大腿陽、下腿陽、足背。このように陽は手背から背、腰、を通り足背まで来ています。ここから又、足の裏に行き、気は下から上、上から下へと循環します。
このように陰は上り、陽は下る、気の循環が正常な循環です。ところが逆気といって陽は上り、陰は下る、という逆の循環をすることがあります。
身体が異常を感じたとき、気の流れを逆転して、身体は正常な日常生活を制限するような、ブレーキをかけることがあります。
一番良く分かるのが風邪ひきです。風邪を引くと逆気となり、身体が重く、熱、クシャミ、鼻水、ダルサ、咳、気分が悪い、頭痛。等が起こり、身体を動かすことがつらくなります。
身体は体内に異常が起きると、気の循環を逆転して、運動を制限したり、外に出ないようにして、布団の中で寝るように、ブレーキをかけます。
問題は風邪ひき以外で起きる逆気です。過労、過食、過セックス、オナニー、いじめ、等でも逆気が起きます。身体の異常を、本人に知らせるためにブレーキをかけ、身体の不調の原因を突き止めて改善してもらいたい。
身体は逆気という手段で、ブレーキをかけ、気分の悪さを増長して、訴えているのです。うつ病、統合失調症、精神分裂、等の精神疾患は最も逆気と縁の深い関係にあります。
逆気の原因を改善しないで、薬で症状を取り除こうとする、うつ病や統合失調症の治療が、なかなか効果を上げられないのは、ここに原因があります。精神疾患は苦しくても薬に頼らないで、生活環境の中で何が原因かを探し出して、改善することが大切です。
逆気の状態が長く続くと、気分がめいり、思考が悪い方へ、悪い方へ考えるようになります。自分を責め、悪い嫌な夢を見たり、他人と話したくない気分になります。
逆気があるかないかを調べるには、足の裏に1粒のマグレバン、手掌に2粒のマグレバンを貼り、脈を診ます。これで沈脈が強く打ってくるようでしたら正常な気の循環をしています。
その反対に手掌に1粒のマグレバン、足底に2粒のマグレバンで脈を診ると、沈脈が強く打ってくるようでしたら、逆気になっています。
治療家にとって、逆気があるかないかを分かっていることは、治療にとって大変役に立ちます。
逆気を治すには、本治法をすると一番効果があります。証をしっかり立てて、間違っていなければ、逆気はその場で収まります。ただ、逆気の強さによって、その効果はまちまちです。
本治法を繰り返すことによって、逆気はだんだん良くなってきます。統合失調症のように薬を浴びるほど飲んでいる人の場合は、なかなか容易に治すことは出来ません。
統合失調症は、鍼灸をすると症状が良くなりますから、それと並行して薬を徐々に減らし、薬と、鍼灸と、身体の調子、との兼ね合いで、非常に慎重なバランスの上を綱渡りするような治療を、辛抱強く行うことが大切になります。
逆気の有り無を、常に把握しておくことは、治療にとって有利な症状となります。逆気をうまく利用して治療効果を上げてください。