ウエーブの飛び方 2020.01.27
治療点を確定するうえで、ウエーブの法則があります。このウエーブについて今回は解説します。ウエーブとは右から左、左から右へと治療点が飛ぶ事から、ウエーブと勝手に名を付けたのです。
普門堂では患部を治療点として取穴する事は殆んどありません。殆どの治療点は反対側に来ることが多いのです。しかも正確に反対側の場合もありますが、足の治療に反対側の背中を使うなど離れた場所に治療点を取る事も多々有ります。
その為には、どの様に治療点までたどり着けるか? その法則を確立する必要があったのです。前にも書いたように、患部の信号は頭の中で感じています。その反応は手背、手掌、足底、足背など手足に出ています。
番地を決定する場合、手足の出ている部分で患部に対する治療点の番地を決めると非常に分かり易くなります。番地が決まれば後はウエーブの法則で治療点まで飛べば良いのです。
例1:右肩こり(実の反応)
右手背と右足背を比較すると右足背に実反応がありました。右足背で治療点の番地を検査すると、右足背4-3Kが番地でありました。
右足背4-3K―左下腿陽4-3K―右大腿陽4-3K―左背4-3Kと左右に飛びます(これをウエーブと呼ぶ)。ただし右肩こりですから、治療点は反対側の左に来ます。
治療点が左に来るという事は、右足背4-3Kと右大腿陽4-3Kは治療点とは関係ないのです。残ったのは左下腿陽4-3Kと左背4-3Kです。この2つの治療点を比較脈診すると左背4-3Kが実でありました。
この人の右肩こりは左背4-3Kに接触鍼をして実の反応を取り除くと、右肩こりは解消されるのです。
例2:右五十肩
右肩を普門堂提鍼で診ると実と虚の反応があり、前方挙上が困難。右手背で検査すると右手背5-5Lに実と虚の反応がありました。右手背5-5Lと左手背5-5Lを比較すると左手背5-5Lの方が実でありました。
左手背5-5Lから右前腕5-5L、左上腕5-5L、右胸5-5Lとウエーブで飛び、治療点は左上腕5-5Lとなります。(右五十肩ですから治療点は左側にある為、右側の反応点は関係ありません。右手背や右前腕、右胸は外します。)
例3:右五十肩
斜め後方に挙上で痛む(患部で検査すると実と虚の反応)。右手背と右足背のどちら側に実反応があるか検査すると、右足背に実反応がありました。そこで右足背で治療点の番地を検査すると右足背2-1Kであった。
右足背と左足背と比較すると左足背の方が実であった。左足背2-1Kからウエーブで、右下腿―左大腿―右背と飛びますが、右五十肩ですから、治療点は左にあります。
右側の右足背、右下腿、右背は治療点から外します。残ったのは左足背と左大腿を比較脈診すると治療点は左大腿2-1Kとなりました。左右の足背を比較するのは片方だけでは飛べないブロックが出る為です。
例4:左膝内側の痛み
左膝内側を提鍼で検査すると、左膝内側でLのラインに虚の反応が出ていた。左足底で治療点の番地を検査すると、左足底1-5Lに虚の反応が出ていた。右足底と比較しても左足底が虚であった。
ウエーブは左足底から飛ぶ事にする。左足底―右下腿―左大腿―右腹と飛びます。左膝の痛みですから、左足底、左大腿は外します。残った右下腿と右腹を比較脈診して右腹が虚でありました。治療点は右腹1-5Lとなります。
上記4つ例で、だいたいのウエーブの概念が分かった事と思います。後は臨床例でウエーブの飛び方が頻繁に出てきますので、参考にして下さい。