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躁鬱病はなぜなるの 2008.03.26

精神的な病は何故なるのでしょうか。特別な病のように感じますがそうではありません、他の病気と同じで、身体のバランスが崩れて起きている病なのです。精神という文字を分析してみますと、精は精液の精です。つまり精液のおおもとは腎臓が特に関係しています。そして神というのは神様の神です。一番最高の位置に位するところで、人間の身体で言うと心臓を意味しています。精神病という由来は、腎臓と心臓の変調で起きる病気という意味なのです。

 

腎臓が変調を起こす

 

腎臓の変調というのは、腎臓が悪くなって機能的に衰えてきたというのではありません。人間でも無理な仕事を押し付けられてやらされていると、しまいには怒り出して、仕事を放棄したり、全部の仕事をやらなかったりしますが、これと同じで腎臓が病気になって寝込んでしまっているのではなく、まともな行動をしなくなることがあるのです。腎臓が変調を起こすと、恐れ、驚き、眠りが浅くなる、心配になる、身体が疲れる。等の症状が出やすくなります。

 

心臓が変調を起こす

 

心臓が変調を起こすと心臓がどきどきする、不安感が出る、食欲がなくなる、外に出るのがいやになる、等の変調が起きてきます。

 

病気の原因

 

腎経を主体に発生する鬱病は、冷えや、産後、立ち仕事が関係します。心経を主体に発生する鬱病の人は、わりと身体が丈夫で、あまり病気をしたことがないので、平気で無理をするのです。その無理がある程度以上になると,ふと不安感が出てきて発病します。

 

肝臓の系統も深く関係する

 

冷え、産後、過労、風邪引き、恐怖、心配などで身体が過度に疲労したとき、肝臓の系統(これを肝経という)が異常興奮して病的な過敏症になります。腎臓と心臓の弱りに、肝経の過敏症が身体の中で暴れだして、バランスを崩している状態、これが躁鬱病の本態です。肝経は興奮しやすく、神経質に過敏になりやすい性質を持っています。イライラしたり、夜中の1時から3時の間に神経が高ぶって寝られなくなる事があります。目が醒めると今度は寝付かれなくて、朝方まで寝られないという状態が続くのです。

 

寝られないのが最大の特徴

 

夜寝られないと、疲れて腎臓も心臓も弱り、それによって不安感、食欲不振、恐怖観念、やる気が起きない、神経質、も起き易くなります。

 

臨床例

 

例題 35歳 女性、平成17年8月頃から調子がおかしくなり、9月になると本格的に症状が現れてきた。不安感と不眠、食欲不振、取りこし苦労、心臓のどきどき、他人が言ったことですぐにショックを受ける、何でもない事が気になる。など沢山の症状を訴えて、10月初に来院した。

 

不安が不安を呼ぶ病気

 

このように沢山の症状を訴えるのが特徴です。これは心の中で不安感が起きるとその不安感が不安を呼び、不安を増幅させるような結果があるのです。要するに自分で自分の病気を作り出している状態です。話し相手にとっても、ちょっとした言葉の中に、患者にとって少しでも心配になる言葉があると、その言葉が又、心配の種になり病気を重くしてしまいます。

 

治療の最大ポイント

 

この治療法は腎経と心経を徹底的に強くする治療をすることが大切になります。腎経にゆとりが出来ると、眠りが深くなります。良く寝られると身体がリラックスした状態になり、心経にもゆとりが出来ます。

 

治療は、水分穴、神闕、陰交、気海、石門、関元、中極、とお腹の正中線上を知熱灸で補うのです。それから、異常過敏になっている肝経を鎮めるために背中に鍼をします。背中の胸椎8.9番、正中線上に圧痛、硬結があって、これが肝経を異常興奮させている元凶です。背骨には能からの神経の束が通っており、各背骨の横からそれぞれの臓器に関係する神経が出ています。その神経の出口で圧痛、硬結が神経に干渉して異常過敏の状態を作り出しているのです。そのため胸椎8,9番、正中線上にある圧痛、硬結を取り除く鍼をすることが、治療の大きなポイントとなります。針治療をした後に知熱灸をして補っておきます。

 

不眠症を治す特効穴

 

不眠症が大きな悩みの一つですが、この不眠症にとてもよく効くツボがあります。太椎と胸椎1番の正中線上にスジ状のこりがあり、これを目当てに接触鍼をします、その後、知熱灸で補っておくのです。この治療をするとびっくりするくらい良く寝られるようになります。

 

薬を飲んでいないと治りが早い

 

上記の患者さんは、週3回、15回の治療でほぼ全快しました。睡眠、仕事、不安感、心配、食欲、やる気、恐怖観念、これら総てがもとの身体に戻りました。この人の場合早かったのと、病院の薬を全く飲んでいなかったのが良かったと思います。

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