- ホーム
- 鍼灸おもしろ日記一覧
- 鍼灸おもしろ日記
鍼灸師が見た透析患者 2011.09.27
鍼灸師が見た透析患者
30年前は約3万人だった透析患者さんが現在では30万人にもなっている。しかもこの数値は死亡した人は含まれていない。
死亡した透析患者さんは年間約3万人もいる。この死亡した患者さんを差し引いても、年間約6,500人も増えているのだ。とんでもない数値で増えている透析患者さん、この原因は何なのか?
一人あたりの透析費用は、年間600万円にもなると言われている。医療費で国や市町村が苦しんでいる時期に、透析患者さんは毎年、約6,500人近くも増えている。
毎年390億円づつ増え続ける透析費用、全体の30万人分なら1兆8千億円だ。医療費削減を叫んでも、待ったなしの患者さんに対して、これだけは削減するわけにもいかない。
この深刻な状態の原因を追究してみた。なぜこんなにも患者数が増えるのか? 田舎町の鍼灸師にすぎない私が心配したところで、どうなるものでもない。しかし、原因だけでも追究したいものだ。
透析患者さんになる元の病気は、糖尿病からなる場合が45%、急性又は慢性糸球体腎炎からなる場合が25%、約70%の人がこの2つの病気が悪化して透析に移っている。
そこでこの70%を占める病気の原因を突き止める事にする、まず糖尿病だ。云わずと知れた、ぜいたく病だ。飲みすぎ、食べ過ぎ、グルメ好き、間食、夜食、タバコ、好き放題の生活が原因で糖尿病となり、悪化すると透析患者に移行する。
若い時は元気で、何を食べても体が消化してくれる。身体は苦しくて悲鳴を上げていても、文句ひとつ言わずに働いてくれる。
やがて太ってくる、それと共に動脈硬化が起きる。動脈硬化が腎臓の機能をダメにする働きの原因となります。透析患者、全体の45%が糖尿病から発病しています。
糸球体腎炎はウイルスが原因で、風邪を引いた時に、咽頭炎や扁桃炎になり、10日くらいの潜伏期間をおいて、急性腎炎になる。慢性腎炎はこの急性腎炎が治りきらないで、慢性に移行したものである。
風邪のウイルス菌の中でも溶連菌が原因です。普通は自然に軽快する疾患ですがまれに急性腎炎となります。自覚症状として、血尿、むくみ、血圧上昇、尿量減少が出てくる。
鍼灸師として毎日患者さんを診察していると、慢性的に風邪を引いている反応が出ている人が、とても多いことに驚きます。本人は風邪の症状はまったくないのですが、診察すると風邪の反応が出ているのです。
風邪引きは食生活と密接な関係にあります。皆さんこんな経験はありませんか? 飲みすぎや食べ過ぎの時、今まで何ともなかったのに、突然鼻水が出始めたり、くしゃみが出だしたり、という経験が多分あると思います。
これは胃腸の過労によって、身体の防衛が手薄になり、風邪のウイルスが増殖し、それを追い出すために鼻水、クシャミが出るのです。
食生活の中でも間食、夜食が風邪引きの原因となります。3度の食事は良いのですが、その間に、間食することを、当たり前に思っている人がなんと多いことか。
間食をなくすと、次の食事までに、腹が減ったと苦痛に感じる事があります。その腹が減った状態がとても大切です。この時に内臓は悪いところの修理や点検をして、より良い状態にしているのです。
鍼灸院に来る患者さんで、慢性的に風邪引きの反応の出る人に、間食をしていますか?と聞くとほとんどの人が間食は当たり前のようにしていると答えます。
その人たちに間食は絶対にやめるように、強く言っています。この忠告を真面目に聞いた人は、慢性風邪引きの反応が消えるのです。
さてここまで話すと、すべての原因は、食生活に大きくかかわっていることがはっきりしてきます。食生活が悪くて糖尿病になり、食生活が悪くて風邪を引きます。その挙句、透析患者さんへと発展してゆくのです。
透析患者へ移行する原因の多くは食生活が関係しています。グルメ、間食、夜食、飲酒、タバコ、過食、身の回りには誘惑がいっぱいです。