耳鳴り 2010.03.23
原因
耳と腎臓は深い関係にあります。足腰のよく冷える人、年を取って腎経が弱ってきた人、房事過多で腎経が弱った人、風邪引きで足が極端に冷えたとき、冬の寒いとき、などに耳鳴をする人が多くなります。
また、過食、間食、夜食、肉類、脂っこい食事、などをする人の場合は上向きに寝て、お腹を押さえてみると、硬くなっていたり、動悸がしていたり、痛いところがある人が多いものです。お腹に硬くなっているところのある人は足腰が冷えるやすくなります。
腹部で血流が悪くなり、足腰の方は冷えて、頭や上半身ばかり熱くなる、冷えのぼせという症状が出てきます。このような人も耳鳴りが出やすくなります。ここに紹介した患者さんの場合は、91歳という高年齢によって、腎臓が弱り、水分代謝も悪くなって、耳鳴りがしているものと思われます。
診察
〇〇さん 男性 91歳 初診平成17年1月17日
股関節痛で来た患者だがよく病状を聞いてみると、いろいろな症状を持っていた。その中に耳鳴りがあり、両方とも毎日ガンガンなっているそうだ。良く調べてみると、後頭部に浮腫があり、耳の方まで広がっている。この浮腫を取ってやると耳鳴りも無くなるのではないかと思った。
鍼灸治療
本治法
肺肝相克 で原穴を補う。
標治法
右外関ー左臨泣 右申脈ー左後谿を補う
両方の然谷を補う これは耳鳴りと耳が聞こえないのに使う右期門穴、日月穴、左天枢穴、正中線の気海穴、石門穴、関元穴、中極穴を補う。これは肝経、脾経、腎経を強めるための処置。太椎と胸椎1,2,3を補う。これは肺経を強めると共に、後頭部の浮腫をとる。
経過
毎日通ってきた。股関節痛は4回で完治。耳鳴りは13回目ぐらいから右が鳴ったり左が鳴ったり、動くようになってきた。19回目今日初めて耳鳴りがしていないと言った。完治までに25回の治療をした。老人の場合は生命力が弱っているので日数がかかる。