前上げで痛む50肩 2017.03.13
前上げで痛む50肩
50肩は、腕を動かして、その角度によって何経の病変か判断します。
50肩の場合は、実と虚が同時に入っていることが多いので、接触鍼をして実を取り除いてから、残っている虚に対して知熱灸をします。必ず、患部ではなく、反対側の腕に治療点を取るようにします。ここがポイントです。
50肩の痛みは、腕を上げる方向によってすべて経絡が違います。手を、前から反対側の肩先に持っていくのが痛い場合は肺経(手拇指内側)の病変。腕をまっすぐ前から上にあげるとき痛むのは、大腸経1(手拇指外側)の病変。腕をななめ外側にあげるとき痛むのは大腸経2(手示指外側)の病変。
腕を真横に上げるとき痛むのは、三焦経2(手中指外側)の病変。腕を斜め後ろに上げるとき痛むのは、三焦経1(手薬指外側)の病変。腕を後ろに回すと痛むのは、小腸経(手小指外側)の病変です。
臨床例
52歳 男性 1か月前から右腕が痛くなりだした。仕事で重いものを持つことが多いので、腕が痛いと我慢できない。前に腕を伸ばす時に、ピキンと激痛が走る。腕を動かすことが多いので、そのたびに激痛が走ると、本当に困ってしまう。
腕を動かしてみると、まっすぐ前から上に挙げるときに痛みが走った。手の拇指外側に実と虚の反応が鮮明に出ている。反対側と比べると反対側の方に反応が強い。反対側の手からウエーブで左上腕に飛び、左上腕5-5kを治療点とした。
左上腕5-5K(肩関節の前)に接触鍼をして実の反応を取り除き、その後、残っている虚の反応に対して知熱灸をした。
治療後、肩の痛みは半分以下に減り、腕もかなり上の方まで上がるようになった。ぐるぐる回しても充分ではないが、かなり動きが良くなったと言って、喜んだ。この患者さん、その後2回、治療に来て完治している。