甲状腺機能低下と肩こり 2017.03.24
甲状腺機能低下と首肩の凝り 丸亀店 高松店
以外と多い甲状腺の病気、ほとんどの人は気が付いていない。肩こり、どうき、汗かき、過食、食欲低下、不妊症、不安感、首の凝り、のどや胸の違和感、このような症状でやってくる患者さんを診察してみると、その根底には甲状腺の病気があって、その反応が出ている場合が多い。
血液検査で甲状腺の病気があることが確認されるのは、かなり病状が進んで、血液にその分子が流出され始めてからである。ところが鍼灸では、提鍼を喉に当てて、脈診することにより、初期の段階で、その反応を検知することが出来る。この初期の反応を検出することにより、甲状腺の病気がとても多いので、驚くこともある。
首肩のコリでも、甲状腺機能低下や、甲状腺機能亢進を持っている人の、首肩のコリはなかなか頑固で取れにくいのが特徴である。あんま、マッサージ、接骨院、整形外科、などをぐるぐる回ってもどうしてもよくならず、ネットを見てやってくる患者さんも多い。
甲状腺の変動が根底にある肩首のコリだから、普通の肩コリと違って首や肩の深いところに鈍い痛みとこり感があり、この肩こりは一生取れないのではないかと不安に思っている人が多いようだ。
実際この種類の肩首コリは、当院でも10回は通ってもらい、やっと治るという状態である。甲状腺の変動は、ウイルスの感染が根底にあるのではないかと当院では考えている。
臨床例
75歳、女性、
右首肩の凝りが酷く、後頭部から首、肩、背中にかけてひどく凝る。特に右首の頭との付け根が、奥の方で重だるく痛いような感じがあり、寝るときに枕で押し付けるとたまらなく痛んでくる。
また、右鎖骨から胸のほうまで、痛いような、だるいようなこり感があり、右肩から胸まで、取り囲むように不快感がある。どこへ行っても取れないのですが、このような肩こりは取れますかね。 大丈夫ですよ、当院で取れない肩こりはほとんどありませんから、と言って診察を始めた。
診察
喉から鎖骨、胸周りの違和感、後頚部の奥のほうで痛む凝り感、これらの症状から、もしかして甲状腺の病気があるのではないかと、ピンとくるものがあった。
喉の中央に提鍼を当てて、脈を診ると、思った通り甲状腺機能低下の反応がはっきりと出ていた。甲状腺は基礎代謝を順調に促進するホルモンを分泌している。甲状腺機能低下で、充分にホルモンが出てこないため、食欲不振、のどや胸の痛み、肩こり、首凝り、などが出ていたのだ。
奥さん、この肩こりは甲状腺から出ているホルモンの出が悪くなって、基礎代謝が低下しているために起きている肩こりです。 先生、基礎代謝って何ですか?
基礎代謝っていうのは、寝ているときや、テレビを見て体を動かさないときでも一定のリズムでカロリーを消費して、血液循環や食物の消化を自動的にしてくれる時に使う、基本的なカロリーの消費量のことです。運動をしたり、仕事をすると、消費カロリーが追加されます。
その基礎代謝のカロリーが少なくなると肩こりは起きるのですか? はい、基礎代謝が低下すると、血液循環も悪くなって、食欲不振、肩こり、首凝り、のどから胸の痛み、などが起きてきます。今からその治療をします。
治療
足の胃経、手の心包経、に虚と実の反応が鮮明に出ていた。治療点は、下腿陽―1K、前腕陰3-1K、となり、そこに印をつけ接触鍼をして、実の反応を取り除いてからその後、知熱灸をして虚の反応を補った。
この治療をすると、後頚部の奥にある鈍い痛みや、喉から鎖骨、胸に至る凝り感がなくなったと言って喜んだ。その他の治療も全部終了すると、身体がすっきりして生き返ったようだと言って体をさかんに動かしていた。
ただ、この甲状腺機能低下は、何回か繰り返し治療することによって、復活するので、継続して治療に来るように告げた。 先生、この不愉快な肩こりが治るのなら、何回でも来ますよ、お願いします。この患者さん、その後10回ほどの治療で、ほぼ完全に元の体調に戻ることが出来た。