臨床例

甲状腺機能亢進 2017.03.04

 

甲状腺機能亢進  丸亀店  高松店

 

 臨床例  女性  35歳  甲状腺機能亢進

 

 喉の腫れがあり、お医者さんでも甲状腺機能亢進があると言われた。手術するのも嫌だし、薬を飲み続けるのも抵抗がある。こんな症状でも鍼灸で対応できるものですかねと言って来院してきた。

 

 症状としては、食欲の亢進、食欲の割には太らない、喉の違和感、イビキをかきやすい、オッパイの痒み、喉の腫れ、などがあった。

 

診察

 

 喉に提鍼を当てて検査してみると、喉仏から横に実の反応があり、喉仏を挟んでその両側3センチの所、縦に実の反応がはっきりと表れていた。これは甲状腺機能亢進の反応である。

 

 提鍼の1粒側を喉に当て、脈診をすると沈脈が強く打ってくる。生体電流が1粒の銅粒に反応して、実の信号を脳に送り、脳はそれに反応して動脈の流れを大きくする。それを手首の脈診で感知して、機能亢進を把握するのである。

 

原因

 

 甲状腺機能亢進はなぜ起きるのか? 甲状腺はホルモンを製造して、脳の指令によりホルモンを放出している。その脳が何らかの障害によりホルモンの放出を常時命令すると、甲状腺はホルモンを出し続ける。

 

 脳と足先、手先、は密接な関係にあります。その為、鍼灸では脳の内部の異変を考える時、手足の末端に異常な変化がないかを調べます。今回の患者さんは、足の拇指外端に実と虚の反応があった。

 

 足拇指外端にアレルギー反応があり、これが脳内の視床下部にあるホルモンの命令系統に干渉して、過剰にホルモンを出すような命令を下すのです。甲状腺はこの命令を受け、ホルモンを出し続けます。

 

 甲状腺はホルモンの生産に翻弄され疲れると共に、生産を拡大するために組織の肥大が起こります。このホルモンが全身に流れ続けると、全身の活動が活発になる時間が長くなり疲れやすくなります。又、他の症状もいろいろと出てきます。

 

治療

 

 鍼灸治療では、足拇指外端の実と虚のアレルギー反応に対して、接触鍼をして実の反応を取り除くと共に、残った虚の反応に対して知熱灸をして補います。これによってアレルギー反応は収まり、視床下部の命令系統も安定してきます。

 

 次に、甲状腺肥大による、喉の腫れに対して、血海と大腿陰3-5Lを使って、甲状腺ホルモンの過剰分泌を押さえます。血海と大腿陰3-5Lは左右に振り分けて取穴します。それは提鍼による反応で振り分けます。

 

 甲状腺は実症状ですが、足拇指外側でアレルギー反応を取り除いていますから、実としての瀉法はしません。その代り別の方から補うことによってホルモンの過剰分泌を押さえます。

 血海と大腿陰3-5Lの知熱灸は、甲状腺ホルモンの分泌過剰を押さえる効果が非常に高いのです。

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