生理が来ない 2017.03.30
生理が来ない 丸亀店 高松店
臨床例 女性 28歳 生理が来ない
何年も前から生理が遅れがちで、1カ月~2か月、生理が飛ぶことはよくあったが、今回はもう3カ月を過ぎるのに生理が来る様子が全くない。その為か、頭はボーっとするし、動悸、気分の落ち込み、不安感、眠れないなどの症状が出て気分が悪い。たまらなくなって治療院に来た。
診察
症状を全部聞いてみると、生理の遅れ、動悸、気分の落ち込み、不安感、花粉症、イライラ感、目の痒み、喉の違和感、節々の痛み、寝つきが悪い。等の症状があった。体格は非常に良く、食欲もあり、かなり太っている。
このように全身的な体調不良の場合は、総合的に体調を変えてゆく治療をしなければならない。
当院では、生理不順の原因を、甲状腺機能亢進が関係していると考えている。甲状腺亢進の場合は、卵巣、子宮、腎臓、など下腹部への影響が多いことに注目。
そこで甲状腺機能亢進を収める治療と、腎臓機能を強化する療法を中心にしながら、その他の症状も治療するという手法を取る。
喉仏に提鍼の1粒側を当て、実の反応を検査すると、はっきりとした実の反応が分かる。又、その両側にも縦に実の反応がある。これは副甲状腺の反応である。
これによって甲状腺機能亢進を判定している。
実の反応であるが治療は反対側から補法で応じることによって、実を緩和させる方法を取っている。何故かというと、甲状腺は脳からの指令によって無理にホルモンを多量に放出させられており、実ではあるが、疲れ切っているのだ。
治療
甲状腺機能亢進には、血海―大腿陰3-5Lをセットで使っている。右と左に分けて使う。どちらを右に使うかは、その時の反応によって使い分けている。知熱灸をすることによって補うのだ。ここを補うことによって甲状腺の実反応は、一時的に解消する。3日もするとまた元に戻るのだが、瀉法で突くよりも、健康的で安全である。
腎臓系統を強くするために、陰谷2と下陰谷2を左右に振り分けて使う。どちらを右に使うかは、その時の反応によって決めている。
本治法は当然、腎水穴を使っている。腎水穴は合水穴とは違い、膝の横紋より2センチほど大腿側に取っている。肺肝相克の場合、右大腿陰4-1K、右上腕陰5-5K(上尺沢)。左大腿陰5-1K、左大腿陰2-1K(上陰谷2)。この4穴を知熱灸で補うことによって効果を上げている。
その他の治療については列記するので参考にして頂きたい。
* イライラ解消のためには太衝穴に接触鍼をして実の反応を取り除いている。
* 胃経に実反応があるので、背4-1Kに接触鍼。
* 寝つきが悪いのには、手示指内端に接触鍼。
* 背中の痛みに対して、背1-5Lに接触鍼をしてから知熱灸。
* 花粉症に対しては、手掌1-2Lに接触鍼をしてから知熱灸。
* 足先の冷えに対して、足小指外端、足示指内端、に知熱灸。
* 動悸に対しては、背3-1Kに知熱灸。
* 目の疲れに対して、頭4-1K、手掌5-3K、に知熱灸。
* 腰を強める為に、腰3-1Kに知熱灸。
* 肝臓を強める為に、期門―日月を左右に振り分け知熱灸。
以上の治療により、小さな症状を取り除くと共に、甲状腺と腎臓系統の強化をすれば、体質が改善され、生理が順調になる。治療が複雑になったが、生理不順という根本的な症状に対しては、特効穴だけでの治療で治るものではない。
上記のような治療を週2回行えば、次の月から生理は正常に訪れるようになる可能性が高い。今回の患者さんの場合は翌月には、ちゃんとした生理が始まった。