臨床例

酷いヘルペス 2017.07.03

酷いヘルペス

 

 臨床例  女性 79歳 酷いヘルペス

 

 胸、肩、首、後頚部、上腕部、までかなり広い部分にヘルペスが出ていた。胸に出ているヘルペスが特にひどく、夜も寝られないほど傷む。この広い部分のヘルペスが、一斉に鍼でも刺すような痛みを起こすのでノイローゼになる。

 

 診察

 

 ヘルペスはウイルスが入り込んで炎症を起こしているという点では、風邪ひきのウイルスと同じ本治法となります。この人は脾腎相克でしたから、経金穴を使い補うと共に、邪の処理を行います。

 

 標治法としては、患部の反対側に接触鍼をしてから、その後、知熱灸で補います。胸、肩、首、後頸部、上腕部、それぞれ反対側に反応を求めてまず、印をつけます。

 

治療

 

 上記に書いたような、本治法に対して知熱灸で補い、邪の処理をしてウイルスに対する治療を行った。

 

 標治法は患部の反対側に提鍼を当て、虚実の反応を診ると、患部より反対側の方に強い反応が出ていた。その反応を目当てに印をつけ、接触鍼をして実の反応を取り除いてから、残っていた虚の反応に対して知熱灸をして補った。

 

 治療後、患部を見ると赤味が少し薄くなって、腫れも幾分引いているような感じであった。どうですか? 患部の状態はと? 聞くとだいぶ痛みの感覚が少なくなったようです。といった。

 

 毎日、休診日を除いて治療した。今日で7回目の治療をしたが、ヘルペスのほとんどは瘡蓋となり、痛みは治まっていたが、後頚部の1部と、肩の1部がまだ少し痛みが残っていた。

 

 今日は後頸部と肩の反対側に鍼灸の治療を加えた。本治法は初めから今日まで脾腎相克の経金穴を使って治療している。痛みがほとんど無くなって痒みと重ダルサだけがあるという。提鍼で良く検査してみると、実の反応が無くなり、虚の反応だけが出てきた。

 

 今までの患部で、痒みと重ダルサのある所には、反対側に知熱灸だけの治療をした。このように鍼灸の治療から、知熱灸だけの治療に変化することはよくある事です。

 

この患者さん、本治法で経金穴の反応が無くなったら、完治となるだろう。経金穴の反応が無くなるという事は、ウイルスが取り除かれたという事になる。

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