臨床例

歯の痛み 2017.02.07

歯の痛み              香川県丸亀市普門堂編集
 
 休みの日にゆっくりしていると電話がかかった。歯の痛みで一晩中寝られなかったのですが、診てもらえませんか?

 

 休みの日でも急患の場合は診ることにしている。この場合、急患らしいので、診ることにした。

 

 体格の良い男性がやって来た。39歳、歯も痛く、頭痛もするし、肩こりもひどい、右の首から顔面、こめかみまでガンガンする。

 

 歯が痛いのやら、頭が痛いのか、肩が凝っているのか、自分では何が何やらわからない。とにかくこの痛みをどうにかして欲しい。余りの痛さに、昨夜は一晩中寝られなかった。

 

 このように若い男性で、体格の良い人の場合は、過敏な経絡(道筋)があって、痛みの酷い割には、的確な治療で案外早く治る。

 

 診察してみると、4つの経絡が過敏になっており、2つの経絡が弱っていた。これは多分、5月に入って暖かくなった為、布団を跳ね除け、寝冷えをして風邪もひいたのだ。その反動で身体が強く反発して、過敏になったものと思われる。

 

 治療は、過敏な経絡に鍼灸をして、弱っている経絡には知熱灸をした。治療を終ると、今までの、右肩から頸、顔面、こめかみ、頭の痛みが、うそのように軽くなった。

 

 治療後は右肩が軽くなりすぎて、左肩の方が凝っているような感じがする、という。もともと若くて、健康な人の場合は、治るのも早い。

 

 臨床内容

 

本治法 脾腎相克 経金穴を使う。左から商丘、霊道、
     右から復溜、列欠の2行線に知熱灸をする。
     邪の処理 接触鍼
 
標治法

 
     実の経絡


     胃経の実に対して、左背中4-1Kに接触鍼。右顔面の痛みに対して


     膀胱経の実に対して、左腰1-1Lに接触鍼をして実を取り除いてから知熱灸をした。右頭部から顔面の痛みに対して


     小腸経の実に対して、左背1-1Lに接触鍼をして実を取り除いてから知熱灸をした。右肩こりに対して


     肝経の実に対して、左中封穴に接触鍼。 右額からこめかみの痛み

 

     虚の経絡


     腎経の虚に対して、左上陰谷に知熱灸。右前頸部のこりに対して


     腎経2行線の虚に対して、左然谷に知熱灸。右耳下の凝りに対して

 

本治法以外は右の疾患に対して、治療点は左に取っている。患部は一切触っていない。

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