臨床例

眩暈と吐き気 2018.03.23

 

眩暈と吐き気 

 

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臨床例 女性 56歳 眩暈と吐き気

 

 昨日から突然、眩暈と吐き気がして、立つことが出来ない。トイレに行くのにも這っていく状態です。頭を動かすとくるくると回転性の眩暈がして、気持ちが悪くなり、吐き気を催す。

 

 3月は木の芽時と言われ、肝臓が元気になる季節です。肝細胞が新しい細胞と入れ替わる時期でもあります。新しい細胞はウイルスなどちょっとした外敵にも鋭く反応して、過敏な反応を起こすことがあります。

 

 眩暈や吐き気は、肝臓系統の実(過敏反応)によるものです。肝臓系統を良く調べてみて、実の反応を取り除けば、眩暈、吐き気、は速やかに解消することが出来ます。

 

診察

 肝経は足の足背で母指陽であります。まず、足背、足底、手背、手掌、の4か所を比較脈診します。その中で足背が実の場合は、足背の肝経(足母指の経脈)に治療点はあります。肝経の中で何処に実が強いか探します。

 

 太衝穴に強い反応が有りました。この太衝穴は足指付け根から~中足骨接合部までの約3センチの間隔で実の反応が出ています。提鍼で実の反応部を確認してください。眩暈の治療点は太衝穴という事になります。

 

 この実反応を取り除くことと、左の脈位において関上、尺中、の沈脈が実反応を呈しておりますから、それが無くなるのも確認してください。

 

 次に、吐き気ですがこれも肝臓系統の過敏反応です。足背の母指経脈には太衝穴はもちろんの事、経脈全般にわたって実反応を呈しています。

そこで足母指経脈の中で何処が一番実かを確認します。

 

 足背5-1Kに実の反応が確認されました。そこからウエーブで治療点に飛びます。足背、下腿、大腿、背中、がウエーブのルートですからそこを比較脈診します。背中に実がありました。

 

 治療点は背中の5-1Kという事になります。ここは胃の痛み、むかつき、胃の違和感、胃もたれ、などの特効穴でもあります。

ここは実と虚の反応ですから、接触鍼をして、実の反応を取り除いてから、残った虚の反応に対して知熱灸を据えます。

 

治療

 太衝穴の実に対しては、3センチほどの所に印を付け、接触鍼で21回擦った。その後、もう一度提鍼で確認したところ、まだ、実の反応が残っていたので、あと10回ほど擦り、実の反応を取り除いた。

 

 太衝穴の治療を終わった所で、眩暈の方は半分以下に減少した。

 

 背中の5-1Kに印を付け、実と虚の反応ですから、最初に接触鍼で35回ほどさすり、実の反応を取り除いた。実の反応が無くなったのを提鍼で確認してから、残っている虚の反応に対して知熱灸で補った。

 

 治療後、歩いてもらうと、少しフラフラするが大丈夫だとの事であった。トイレに行って帰ってきたが、何処にも掴まらずに歩くことが出来た。完全に眩暈、吐き気が無くなるまでその後、4回の治療をした。

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