臨床例

子供のてんかん 2019.12.20

子供のてんかん

 

 臨床例 男の子 3歳 てんかん

 

症状 毎日のようにてんかん発作を起こす。薬を飲んでいるのだが一向に良くならない。こんなに毎日てんかんを起こすと、頭が悪くなるのではないかと心配していると言う。てんかん以外はいたって健康で活発な男の子だ。

 

 診察

 

 てんかんのように患部が漠然として分からない場合は、まず本治法でその人の虚実を診ます。本治法で検査してみると一番虚している穴は肝経陰、次が脾経2、腎経2、心包経、と続いていました。

 

 実は肝経陽が一番実で、次は胃経、膀胱経2、と続いていました。さてこれで、実の経と、虚の経が分かりました。

 

 てんかんの症状は意識を失うほどの痙攣と引きつりです。この症状を見ても実の反応という事が分かります。てんかん以外は何処も悪い所がない健康で活発な男の子です。

 

 このことから実の経を探してそこに鍼をして、実の反応を取り除けばてんかんが納まる事になります。

 

 一番実の経は、肝経陽(足背拇指)ですから、提鍼の1粒の方を肝経陽に当て足拇指指先から足首まで当てて診ると実の反応が脈診上に出ています。特に太衝穴の部位に縦に3センチくらいの長さで実の反応があります。ここが一番目の治療点です。

 

 次に胃経にも実があります。足背示指が胃経ですから、そこに1粒の提鍼を当て、脈を診ると実の反応が出ています。その胃経の中で何処が一番実かを探します。それには比較脈診で、2粒と1粒で比較するのです。

 

 1粒で強く打つほうの脈が実です。比較脈診をすると足背4-1Kが実になっていました。そこからウエーブで大腿から背中に飛び、治療点は背中4-1K(胸椎6番、7番正中線上)という事になりました。

 

 治療

 

 太衝穴に接触鍼で35回ほど擦り、実の反応を診るとまだ、実の反応がありましたので、あと10回接触鍼をしました。

 

 次に、背中の4-1Kに印を付け、ここにも接触鍼で35回ほど擦り、実の反応を診ると、実の反応が取れていましたので背中はそこまでとしました。

 

2回目 1カ月後に来院、てんかんの症状を聞くと、大分症状は治まったが、波があって平均すると1週間に1、2回程度の発作が出ると言う。治療は前回と同じツボを使い治療した。

 

3回目 1カ月後、てんかんはほとんど発作が起きなくなった。軽いのが1回だけ起きた。3回目も前回と同じ治療をした。次回は発作が起きた時に来るように言って治療を終了した。

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