手指先の荒れ 2020.01.04
手指先の荒れ
臨床例 女性 56歳 手指先の荒れ
症状 手の指先全体が荒れて、ガサガサになりひび割れ、出血をすると痛みが酷く困ることが多い。手指消毒をすることの多い仕事で、毎日何回も手指消毒をする。その影響で益々、手指先の荒れが酷くなる。
診察
手の指先が親指から小指まで全体に荒れている。ガサガサで所々にひび割れもある。血のにじんでいる所もあり。指先全体の弱りと診て、虚の反応を探す。
指先に4粒の提鍼を当てると虚の反応が出ていた。その指先の中でも拇指先端(Lの線)が一番虚であった。
手拇指先端(手拇指5-5L)から治療点を探すことにする。前腕陰、上腕陰、胸、とウエーブで飛んでいくと、胸の5-5L(雲門穴)に治療点が有った。
治療
胸5-5Lに虚の反応であるから印を付け、知熱灸をする。虚の反応が無くなるまで知熱灸を据えた。胸治療点にあった虚の反応が無くなったので、指先の虚の反応を調べてみると、指先にあった虚の反応も無くなっている。
如何ですか指先の痛みは? 指先を擦っていたが、今は指先の痛みが治まっていますと言う。1週間後に来院した時に聞いてみると、今週はとても楽に仕事が出来ました、という事であった。
考察
仕事上の手指消毒が多い職場であっても、指先の弱りが内在していたので、冬の寒さと乾燥、それに手指消毒が引き金となって指先の荒れとなって現れたものと思われる。
手指先と関連の深い、胸に有る弱りの原因を突き止めて治療したので、手指先の荒れが納まった。