臨床例

貧血  2020.01.20

臨床例 女性 45歳

 

 症状 全身の冷え、貧血、特に下半身の冷えが強く足先はいつも冷たい。立ちくらみ、頭痛もある。鉄分が少ないから貧血になると言われて鉄分の薬を飲んでいる。しかし、なかなか改善しない。

 

診察 女性で貧血の場合は生理時の出血が多いことを考える。その他、何らかの原因で出血しやすい所があり、血液を生産するよりも出血する率の方が多くなる場合は貧血になり易い。

 

 患部がハッキリしない場合は、本治法に重点を置きます。全体を診て、全体の中で一番の虚は何処か? 一番の実のところは何処か? 本治法の良い所は全身の虚実がはっきり分かる所にあります。

 

 本治法は肝脾相克で肝が一番の虚、次に脾が虚でありました。陰は上り、陽は下りの法則から、陰は足の裏が一番実、次に下腿陰、大腿陰は3番目に強いはずです。ところが大腿陰に虚の反応があり、大腿陰と大腿陽を比較すると大腿陰が虚でありました。

 

 という事は大腿陰が虚であることから太ももの内側が冷えて、足全体の冷えがあったのです。本治法で上合水穴を取穴して補うと足の冷えは治ります。次に、貧血ですが2番目に虚である脾経に虚があるはずです。

 

 生理異常や出血がある場合、脾経に反応が出る事が多くなります。出血の場合は漏谷や三陰交を重点的に見ます。脾経の線上を足首から膝に向かって撫でて行くと漏谷穴の部分がペコンと凹んでおりました。そこで治療点を漏谷としました。

 

治療

 

 足の冷えに対しては本治法で上合水穴を使い、知熱灸で補うと、大腿陰、下腿陰、足底と全体が温かくなり、足全体がポカポカしてきた。貧血に対しては漏谷穴に印を付け知熱灸で補った。生理血が多かったり、生理が止まらない時など、漏谷穴は非常に効果を発揮します。

 

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