左背中のギックリ腰 2020.04.13
左背中のぎっくり痛
臨床例 女性 63歳 左背中のぎっくり痛
症状 2日前から左背中に急激な痛みが走り、それから寝返りも打てないほどの痛みが続いている。腕を動かしても、背中を動かしても、左背中にビクッとくる痛みが走り、痛くて仕事にならない。
診察 この女性は風邪を引いており、本治法の証は肺肝相剋であった。肺肝相剋では、肺経が一番の虚であり、その陽経である大腸経1が最も実となっている。
そこで左拇指陽の大腸経1に提鍼を当て実の反応を探した。大腸経の3-5Lに実の反応が出ていた。そこからウエーブで左上腕に飛び、さらに右背に飛んで、治療点は右背3-5Lとなった。実と虚の反応があった。
左右に捻ると痛いと言うので肝実もあると思い、太衝穴に提鍼を当てて検査してみると実の反応があった。そこで太衝穴も治療点として付け加えることにした。実だけの反応であった。
治療
右背中の3-5Lに印を付け、実と虚の反応であるから、最初に接触鍼で35回ほど擦り実の反応を取り除いた。その後、残っていた虚の反応に対して知熱灸を5壮ずつ据えた。
次に、太衝穴の実反応に対して、印を付けてから接触鍼で35回ほど擦り瀉法を行なった。
上記の治療により、寝がえり、背中の痛み、腕を動かす時の動作痛、などが無くなり、ビクッとくる激痛は感じられなくなった。
上記でも記したように、風邪引きがあり、本治法で肺肝相克の場合は肺経が一番虚しており、その陽経の大腸経が一番実となっているから、実の病は手拇指陽の大腸経から追いかけて治療点に達すると良い。